クラフトビール(左)と麦芽かすを加工したグラノーラ=加古川市平岡町新在家2、マイルストーンブルーイング東加古川醸造所
クラフトビール(左)と麦芽かすを加工したグラノーラ=加古川市平岡町新在家2、マイルストーンブルーイング東加古川醸造所

 ビールの醸造過程で発生し、主に産業廃棄物として処分される麦芽(モルト)かすを加工し、姫路市と加古川市の会社がグラノーラとして商品化にこぎ着けた。食物繊維が豊富で栄養価が高く、ビールのおつまみとしても楽しめるよう味とサイズを工夫。商品名は文字通り「EAT BEER.(ビールを、食べよう)」とした。

 麦芽かすは、原料の麦芽からビールの素となる麦汁を絞り出した後に残るもの。温かくて水分を含み、すぐに発酵が進んで臭いを放つ。家畜の飼料や堆肥として農家と契約する醸造所(ブリュワリー)もあるが、ニーズの少ない都市部では廃棄されることが多く、費用は自己負担。処分は醸造所共通の悩みだという。

 姫路市内でクラフトビールを造っていたコガネブリュワリーの梶原伸介さん(49)は、廃棄物に付加価値をつけて再利用する「アップサイクル」に興味があり、麦芽かすの潜在力に以前から注目。健康食品としての加工を目指し、仕事仲間で飲食店を営む安妻友香さん(42)=加古川市=と約1年半、試行錯誤を重ねてきた。

 グラノーラには大麦の麦芽かすを使う。原料は取り組みに賛同する県内の醸造所から月1回、最大100キロを引き取り、機械で丸1日かけて乾燥させる。米粉やこんにゃくなど無添加の「つなぎ」と混ぜ合わせて成形し、焼き上げる。味付けはのりしおやピザ、ブラウンシュガーなど5種類。袋詰めまで完全手作業のため、生産量は1カ月で2千袋ほどという。

 神戸市兵庫区の「オープンエア湊山醸造所」では、定番商品のペールエールの麦芽かすを提供し、グラノーラを店頭で販売している。「肥料や飼料と違い、商品として手元に戻ってくるので愛着が湧く。ビールとセットでお土産にも良いかも」と、広報の斉藤夏実さん。

 「醸造所によって麦芽の種類が違うので、かすにも個性が出る。異なる味わいや歯応えが面白い」と安妻さん。梶原さんは「全国に広がれば廃棄する量を減らせる。クラフトビールにおけるアップサイクルを軌道にのせたい」と意気込む。

 全ての味を楽しめるお試しセット(税込み680円)はオンラインショップで購入できる。詳細はホームページ(https://www.re-malt.jp/)。(今泉欣也)