北播

  • 印刷
運行開始に向け、整備が続いているキハ40形(右)と現在運行中の車両=加西市内
拡大
運行開始に向け、整備が続いているキハ40形(右)と現在運行中の車両=加西市内
サンタ列車などのイベントも地域に親しまれている=2021年12月、加西市内
拡大
サンタ列車などのイベントも地域に親しまれている=2021年12月、加西市内

■アイデア生かし特別な空間に

 「内装は改修するのですか」「運行はいつから」

 昨年12月末、兵庫県加西市内にある北条鉄道の踏切近くで、ともに鉄道ファンの高校生と母親が職員に尋ねていた。年末から一時的に北条町駅近くの留置線に置かれている国鉄時代のディーゼル列車「キハ40形」を見かけ、加東市から訪れたという。

 北条鉄道は同車両をJR東日本から購入。この車両は東日本で、ほとんど残っていない。同鉄道では、白と青の外装や内装をほぼそのままで走らせる計画だ。運行開始は3月13日の予定。2月27日には、加西市観光協会が記念の乗車体験会を開く。イベントや観光を中心に運用し、市外から鉄道ファンらの乗車にも期待する。

    ◇

 北条鉄道は、北条町駅と粟生駅(同県小野市粟生町)の13・6キロを結ぶ。小規模鉄道ならではの柔軟性を生かし、貸し切り列車や、サンタクロースと歌やゲームを楽しむ「サンタ列車」、カブトムシなどをプレゼントする「かぶと虫列車」などを運行している。イベントでは、兵庫教育大生や地元高校生らがボランティアを務め、車内を盛り上げる。

 新型コロナウイルス感染症の影響で約2年間、イベント列車を運行できなかったが、昨年12月、2年ぶりに開催したサンタ列車には多くの家族連れが乗車した。1989年に始まり、かつて同列車に乗った親たちが自らの子どもと利用する時代になっている。

 貸し切り列車の運行は、1往復で2万2千円。追加料金は必要だが、停車した状態での延長利用も可能で、車両は会社の慰労会や音楽演奏会、結婚式の披露宴などの会場としても使われてきた。2019年に29件あった貸し切りは、20年はコロナ禍で12件に激減したが、21年は11月にひと月で7件の利用があり、計17件まで回復している。

 北条鉄道を通学や通勤で利用し、愛着を持つ住民は多い。クリスマス前後には、周辺の市民らが各駅をイルミネーションで飾り付け、行事では企業や住民らも盛り上げに協力する。一昨年5月、JR東海から転職し、昨年7月に念願の運転士としてデビューした多田直紀さん(23)は「窓から見る景色に四季を感じるし、利用者との距離も近い」とうなずく。

 地域とともに歩むローカル鉄道。大手にはない身の軽さとアイデアで、特別な空間を提供し続ける。(小日向務)

=おわり=

【北条鉄道】播州鉄道によって1915(大正4)年に開通。1943(昭和18)年に国鉄に買収された。1985年に国鉄から継承され、現在は加西市や兵庫県などが出資する第三セクターが運営する。単線だが一昨年、法華口駅に列車の行き違い施設が完成し、朝や夜に増便した。行き違いが可能になり、イベント列車や貸し切り列車も随時運行している。北条鉄道TEL0790・42・0036

【バックナンバー】
(5)山田錦の酒器
(4)気球フリーフライト
(3)杉原紙の耳付名刺
(2)ビャクダンのそろばん
(1)ポルスのコート

北播
北播の最新
もっと見る
 

天気(1月21日)

  • 6℃
  • ---℃
  • 20%

  • 3℃
  • ---℃
  • 50%

  • 7℃
  • ---℃
  • 20%

  • 4℃
  • ---℃
  • 50%

お知らせ