史上9人目の三冠王に輝いた阪神タイガースの佐藤輝明内野手=甲子園球場(撮影・丸山桃奈)
史上9人目の三冠王に輝いた阪神タイガースの佐藤輝明内野手=甲子園球場(撮影・丸山桃奈)

 阪神の4番を打つ生え抜きの日本人が三冠王を取る日が来るなんて、想像したことがあっただろうか。しかも、その和製大砲は甲子園球場のおひざ元、西宮市の出身。甲子園出場経験のない無名の高校から大阪の大学経由で飛び出した長距離砲だ。ドラフト1位で阪神と巨人、ソフトバンク、オリックスの4球団が競合した結果、抽選で地元球団が交渉権を得た。長い暗黒時代を知るファンで、ここまで妄想を膨らませた奇特なストーリーを思いついた人はいないのではないか。

 佐藤輝明、27歳。史上9人目の三冠王に輝いた。

 最下位が当たり前だった阪神の低迷期。あちこちの居酒屋で交わされていたファンの会話はこんな感じだった。

 「バースの再来なんか考えたらあかんねん」