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東遊園地で東北への思いを語る小島汀さん=神戸市中央区加納町6(撮影・鈴木雅之)
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東遊園地で東北への思いを語る小島汀さん=神戸市中央区加納町6(撮影・鈴木雅之)

■東北とずっとつながり続けたい

 今月13日午後11時すぎ、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が起きた。

 「ままー! 無事?」

 小島汀(おじまみぎわ)(29)=兵庫県芦屋市=は翌朝すぐ、岩手県釜石市の澤口玉枝さん(54)にメッセージを送った。

 東日本大震災10年を前に再建できた新居も、パン工場も被害はなかった。ほっと胸をなで下ろす。

 「先生」と慕う同県陸前高田市の村上洋子さん(63)、大学時代にボランティアで訪れた宮城県石巻市雄勝(おがつ)町の人たち…。他にもまだまだいる。顔を思い浮かべては不安になり、祈る思いで連絡を取った。

     ◇

 東日本大震災が起きてから、汀は何度も考えてきた。私は、阪神・淡路大震災の後、何をしてもらってうれしかっただろう、と。

 当時、避難所に支援に入っていた大阪のおばちゃんは、汀を孫のようにかわいがってくれた。四半世紀が過ぎた今も連絡をくれる。

 「あしなが育英会」の男性職員は、汀が社会人になってからも、悩みを聞き、背中を押してくれる。「お父さんって、こういうこと言ってくれるんやろな」と思える存在だ。

 阪神タイガースの選手は毎年、神戸レインボーハウス=神戸市東灘区=を訪れ、遺児たちに元気をくれた。震災当時だけじゃなく、「つながり」はその後も続いた。「忘れられてない」ことが、何よりもうれしかった。

     ◇

 自分は東北の人たちに何ができるだろう。

 来てくれるだけでいい、と言ってくれる先生がいる。つながりが宝物だと言ってくれるママがいる。その人たちを大切にしたい。

 10代の頃に背負っていた使命感とは違う。「自分がしてもらってうれしかったことをするだけ。だって大好きだから。会いたいから」。自然体でそう言えるようになった。

 今月17日からは、大阪府吹田市の東急ハンズ江坂店で、東北の特産品を販売している。宮城のプリン、岩手のビール…。お勧めしたいものはいっぱいある。

     ◇

 「水際(みずぎわ)」を意味する汀という名前は、芦屋川教会=芦屋市津知町=の牧師だった祖父が考えてくれた。

 水は誰にとっても欠かせない。災害のときも必要だ。だから、「出会った人に必要とされる人になってほしい」という願いが込められているという。

 必要とされる、とは?

 答えが少し、見えてきた気がする。

 阪神・淡路大震災は発生から26年。東日本大震災はまだ10年だ。

 これからも東北を思い続けたい。ずっとつながり続けたい。

 それが、汀の生きる道。(中島摩子)

=おわり

【バックナンバー】

(9)被災洋菓子店のプリン

(8)途切れない縁

(7)釜石市のパパとママ

(6)大津波に襲われたまち

(5)初の東北被災地

(4)舞子高環境防災科

汀さんが追悼式で読んだ作文全文

(3)レインボーハウス

(2)3歳で遺児

(1)プロローグ

【動画】汀の物語 二つの被災地を生きる理由

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