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 総務省は10月から、ふるさと納税制度で寄付金が少しでも多く自治体の手元に残るように経費率の圧縮を図っている。過度な寄付獲得競争に歯止めをかけるため、返礼品に関する地場産品の基準も厳格化した。

 ふるさと納税を巡っては、問題が起きるたびに、ルールを改める弥縫(びほう)策を繰り返してきた。昨年10月には自治体が仲介サイトを通じて寄付を募る際、寄付者にポイントを付与することを禁止した。抜本的な改革には返礼品の廃止を含め、互いの貴重な税を奪い合うような制度の在り方自体を考え直す必要がある。

 ふるさと納税は、故郷や応援したい地域などに寄付すると、自己負担の2千円を除いた額が住民税や所得税から控除される。2008年度に始まり、25年度の寄付総額は1兆3314億円に上り、6年連続で過去最高を更新した。

 年間の利用者も納税義務者の2割に当たる1151万人に膨らんだ。高額所得者ほど寄付額の上限が高いため、返礼品を多く受け取れるなど恩恵も大きい。寄付者が多い都市部では税収の流出が止まらず、多額の寄付を得るのは特産品が豊富な自治体に偏るなど、恩恵が広く行き渡っているとは言い難い。

 今回の改定は、返礼品や手数料などの経費率の上限を寄付額の5割から4割へと4年間かけて段階的に引き下げることが柱の一つだ。自治体が業者に支払う経費が下がり、取り分が増えることが期待される。

 もう一つは、他地域から仕入れた原材料を使う加工食品などを返礼品にしている自治体に、地元での人件費などが調達費全体の半分以上になることの証明と公表を義務づけた。

 25年度に全国の自治体が仲介サイト運営業者に支払った手数料は寄付総額の1割超に当たる1490億円に上る。財源が目減りし、住民サービスの低下が懸念される。国は今年5月、業者に手数料の引き下げを要請したが、ほぼゼロ回答だった。

 自治体の情報発信だけでは全国から注目されないため、仲介サイトが活況を呈し、手数料は「言い値」になりやすい。一方で、事業者の多くは手数料率を明示していない。元は税金であり、寄付者が応援したい自治体に多くのお金が届かなければ制度の趣旨ともかけ離れる。国が使途の透明性を高め、コストの抑制に動くのは妥当だ。一部業者は「必要最低限の経費だ」と反論するが、協力が得られなければ一定の法規制もやむを得まい。

 近年は、被災地の復興支援や子どもの貧困などの課題解決にもふるさと納税が活用されている。返礼品目当てではなく、寄付に込めた思いを尊重する制度に立ち返るべきだ。