各地で秋祭りが最盛期を迎えている。姫路市の松原八幡神社で14、15日に催された「灘のけんか祭り」は、絢爛(けんらん)豪華な屋台の練り合わせや激しい神輿(みこし)合わせが披露され、今年も大勢の観衆を魅了した。一方で、人口減少による担い手不足で存続の危機にさらされる祭りや伝統行事も少なくない。地域が誇る文化を次代につなぐためにも知恵を出し合うことが大切だ。
毎年決まった時期にある祭りは、地域の一体感を高める場となってきた。だが少子高齢化が著しい地方では、運営や伝統の維持が限界に達しつつある。
兵庫県市川町下瀬加の天満神社では、半世紀以上にわたり受け継がれてきた小学生女子による「浦安の舞」が、今月11日の奉納を最後に休止へ追い込まれた。子どもの減少が止まらず、苦渋の決断となった。
2017~19年度に兵庫県教育委員会が実施した調査によると、県内の伝統行事約4400件のうち453件が廃絶し、205件が存続の危機にあった。その後も祭事を集落単位で受け継ぐ但馬や丹波、西播磨、淡路などで人口減が加速し、少子高齢化の波は都市部にも及ぶ。
郷土芸能を守る保存会には、現役の大半が60代以上という組織も多い。伝統を受け継ぐには、時代の変化に応じて祭りの形を変えることも必要だろう。
宍粟市山崎町の「宇原獅子舞」の保存会は一時、メンバーが平均年齢50代の約10人に減り、秋祭りの演目が五つしか披露できなかった。14年から条件を見直し、市外の住民らを加えたほか、禁制だった女性の参加も認めた。担い手は約50人に増え、平均年齢も大幅に若返った。
福岡県は祭りを手伝いたいという県内外の人を事前登録し、担い手不足に悩む地域行事に派遣する制度を導入した。石川県の「祭りお助け隊」は、企業や団体もボランティアで参加できる。伝統行事は地元住民のみで行うべきだとする慣習や固定観念にとらわれず、他地域の人や観光客らに協力してもらうなど、柔軟に対応してほしい。
祭りを通じ多様な人々が交わることは災害時などの対応力を高め、助け合いにもつながる。少しでもその輪を広げ、コミュニティーを維持したい。
























