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議員定数や議会の在り方について聞いた市民との意見交換会=11月8日夜、西脇市大野(撮影・長嶺麻子) 神戸新聞NEXT 神戸新聞NEXT 神戸新聞NEXT 兵庫県多可町議会が提案し、成立した「一日ひと褒め条例」をPRするポスター
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議員定数や議会の在り方について聞いた市民との意見交換会=11月8日夜、西脇市大野(撮影・長嶺麻子)

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兵庫県多可町議会が提案し、成立した「一日ひと褒め条例」をPRするポスター

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 役割やその活動が見えにくいとされる地方議会の中にも、住民と意見交換し、課題解決につなげる議会が現れてきた。少子高齢化などが深刻化する中、議会が率先して民意をくみ上げ、地域の実情に合った施策を打ち出すことが求められる。ギカイズム2の第2弾は、地方議会の政策立案などを表彰する本年度の「第14回マニフェスト大賞」最優秀成果賞を受けた兵庫県西脇市議会の取り組みを追った。(井関 徹)

■バス政策で成果、議員定数も議論/西脇市議会 意見集約、行政に提言

 「改革は大事だが、市民の方を向いていない」「まずは成果を出してもらいたい」

 西脇市議会(定数16、欠員2)は今月、市内8地区を巡り、議員定数をテーマに住民との意見交換会を開いた。グループに分かれ、議会の在るべき姿を問う議論では厳しい意見も出た。

 2017年の前回市議選は、立候補した19人のうち4人が当選に必要な法定得票数に届かず、定数割れになった。在職死亡もあり今は14人で活動する。

 議会の根幹でもある定数について、住民意見を求めた背景には現状への危機感がある。

 8地区の会合ではまず、全国でもトップクラスとされる議会改革の取り組みを紹介。昨秋以降、特別委員会で続けてきた検討内容も報告した。

 同規模の自治体と比べて少ない定数の状況に加え、議員同士の討議に必要な人数、多様な市民の代表を担うためにはある程度の人数を要する-とした。

 議員は各テーブルの話し合いをリードしながら耳を傾けた。議会や議員の活動に物足りなさを訴える批判はあったが、定数削減を求める声はほとんどなかったという。

 当初、定数を巡る意見交換会の開催に難色を示す議員もいたが、林晴信議長(52)は「対話を重視する議会としては避けて通れない」と決断。市民目線で活動を見つめ直す機会になればとの思いがあった。

     ◇    ◇

 同市議会の改革は11年前、定数(当時20)の削減を巡る対立から始まった。

 議会は08~09年、定数を16に減らす市民団体の陳情、直接請求を2度にわたって否決。09年10月の市議選で支持する議員が過半数を占め16に落ち着いた。

 「活動が見えない」との批判を受け、開かれた議会に向けて動きだした。近年は行政を監視するだけでなく、市民目線の政策立案に力点を置く。

 政策に生かすため4年前、住民と意見を交わす「議会と語ろう会」を市内の全80自治会で開始。グループ討論の形式にし、議員は話しやすい雰囲気を演出できる「ファシリテーション技術」を学んだ。

 市民の要望を政策につなげた事例がある。「住民との会合では高齢者を中心に交通手段に対する不安の声が上がっていた」。2年前、市にバス交通網の充実を提言した総務産業常任委員会の副委員長だった高瀬洋議員(63)は振り返る。

 折しも市が交通計画を作る前のタイミングで、委員会のメンバー7人は1年半以上かけて市民目線で利便性を追求。運行中のバスを追い掛けて利用状況を調べ、乗客に意見を聞き理想のルートにまとめた。地域を巡るバスは、低コストの住民運行で、予約を受けて走るデマンド型バスを採用した。

 市は今年3月、バス路線を見直した「地域公共交通網形成計画」を策定。デマンドバス運行をタクシー会社に委託するとしたが、提言を参考にしたという。現在、2年後の運行開始に向けて料金体系を検討している。

 委員長を務めた村岡栄紀議員(58)は力を込める。「議会が一体となって行政に提言するパワーを痛感した。解決策を示す政策議会への一歩となった」

     ◇    ◇

 同市議会は今年、早稲田大学マニフェスト研究所の「議会改革度調査」で初めて全国トップ10入りを果たした。

 だが、バス交通網を提言した後、思うように政策立案ができていない。林議長は「住民の声を集約し政策化することが滞っている。議会が同じ方向を向く合意形成が難しく、危機感も薄れている」と指摘する。

 議員定数を巡り市民から意見を聞いた機会は議会に何をもたらすか。来年1月、有識者や議会関係者らを呼んでシンポジウムを開き、方向性をまとめる。

 村岡議員は住民との意見交換を踏まえ、感触を口にした。「活動への理解は広がったが、住民が成果を実感できるまでには至っていない。スタートラインに立ったにすぎない」

■多可町議会「一日ひと褒め条例」

 「一日に一度は人を褒める」

 兵庫県多可町議会は昨年末、4条から成る「一日ひと褒め条例」を議員提案で制定した。

 町民が家族や友人、職場の同僚らの良い点を見つけ、伝え合うよう促す理念をまとめた。人口減少が深刻化する町を元気づけたいとの思いが原点だった。

 昨年2月、町議会と町商工会の若手会員が意見交換した際、インターネット上にあふれる他人への批判を疑問視。心豊かな町づくりの姿勢を住民と共有するため条例化を目指した。

 職員わずか3人の議会事務局をフル稼働させ、専門知識が必要な法制面では町側も巻き込んだ。清水俊博議長(70)は「町民にアンテナを広げる議会だからこそ柔軟に素早く対応できた。条例が町に自信を持つきっかけになれば」と期待する。

 地方議会は予算提案権がないなど首長に比べ権限が小さく、自ら条例を立案するハードルは高い。同町議会での政策的な議員提案条例は初めてだが、清水議長は「課題に対する町側の動きが鈍ければ、議会が提言するなどしてけん制し、町に条例化を促すことも役割」とする。

 議員の政策立案を補佐する「法務担当職員」が県内最多の3人いる兵庫県議会でも、これまでにまとめた政策条例は4件しかない。

 県議会では2014年6月、政務活動費の不自然な支出が分かり、議員(当時)の「号泣会見」が注目を集めた。翌年の改選を経ると議会改革の機運が高まり、その年の10月、中小企業のサポートを明文化した「中小企業振興条例」を議員提案で制定。支援などの予算が絡む政策条例となり、県の財政当局とも折衝を重ねた。

 当時の状況を知る議会事務局の元職員は「県民のニーズを吸い上げ、政策への生かし方を学ぶ機会になり、県の条例に対するチェック機能や議員力の向上につながった」と指摘。「県へのプレッシャーとして議会が条例制定の手段を持っておくことは大事」と話す。

2019/11/28

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