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若者の意見を議会活動に生かそうと、高校生と対話する兵庫県議会の正副議長=2019年8月、兵庫県議会 神戸新聞NEXT 神戸新聞NEXT 神戸新聞NEXT
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若者の意見を議会活動に生かそうと、高校生と対話する兵庫県議会の正副議長=2019年8月、兵庫県議会

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 地方議会を束ねる「議長」の存在や役割が見直されつつある。都道府県議会を中心に、名誉職として1年ごとに交代する「たらい回し」が目立つ中、選出の過程が見えやすいよう、事前に所信表明をする「立候補制」に切り替える議会も増えてきた。ギカイズム2の第5弾は、兵庫県内で3番目に議会基本条例を制定し、議長を中心に改革を進める養父市議会(定数16)の実態を探った。

■養父市議会、不祥事受け倫理条例/「名誉職」「たらい回し」脱却目指す

 養父市議会は10年前の2010年、兵庫県内で朝来、洲本市に次いで議会基本条例を制定した。市民の負託に応えるべく、条例に基づいた改革を進めていた折に、議員の相次ぐ不祥事で信頼を失墜させた。

 16年4月、市議が有権者らに菓子折りなどを贈っていた問題が発覚。同年10月の改選を経て、翌17年にも別の市議による寄付行為が明るみに出るなどした。

 「市民からの信頼を失い、議会としての姿勢を示す何かが必要だと思った」。16年の改選後、不祥事が続いた議会をまとめる役割に名乗りを上げた深沢巧議長(63)=議長在任は2回連続4年目=が振り返る。

 議長選の所信表明では公平な立場を貫くため、所属する最大会派からの離脱を約束。議長就任後は、議員の行動を戒める「政治倫理条例」の必要性を訴えた。

 同条例は約半年かけて議論を重ねた。「そこまでする必要があるのか」との意見もあったが、禁止行為や処分などを具体的に明記。「疑惑を受けた場合は事実と責任を明らかにし、議長の措置に誠実に対応する」との異例の誓約も義務付けた。

 「1人の不祥事で議会が駄目だと見られる。信頼回復には議会が一体となった取り組みで結果を出さなくてはならない」。批判の矢面に立った実感がにじむ。

   ◇    ◇

 養父市は04年、国が自治体の規模を大きくして財政基盤を強化するために推し進めた「平成の大合併」で発足した。ただ人口は県内の市で最少の約2万3千人(20年2月末現在)。旧4町(八鹿、養父、大屋、関宮町)で計56あった議員定数も、現在は3分の1以下の16に減った。

 市域が広がり、市民へのよりきめ細かい対応が求められる中、「議会力」の向上を目指したどり着いたのが、議会の最高規範といわれる議会基本条例だった。

 深沢議長も当時、当選直後の新人として同条例の協議に参加した。約1年をかけて制定された条例は、議会報告会の開催など市民との協働を規定。中でも、公募の市民に議会をチェックしてもらい、改善や政策提言につなげる「議会モニター」は改革の象徴だった。

 少子高齢化や人口減少で地域が疲弊していく中で、「地方議会はもっと市民を巻き込むべきだ」と深沢議長。自身も「市民の多様な意見を吸い上げられる議長でありたい」と考える。

   ◇    ◇

 養父市議会の中でも“多様化”が図られている。2年前から、議会運営を取り仕切る要のポストである議会運営委員会の委員長を、1期目の新人議員が担う。

 16年の前回選で定数の半数近い7人を新人が占め、議会内の後継者育成が急務となった。深沢議長が議会運営委員長として白羽の矢を立てたのは、歴代最年少の市議として初当選した谷垣満委員長(43)だった。

 就任早々、長期の病欠が続く市議2人の報酬の在り方が課題となった。ベテラン議員の指摘や少数意見も生かしながら、90日以上休んだ場合は報酬を半減する条例をまとめた。議論を通じ、谷垣委員長は議会活動の原点といえる「民意を代弁する議員同士の討議」の大切さを学んだという。

 議会のリーダーがたらい回しの名誉職から脱却したとき、それが改革の大きな一歩となり得る。

■兵庫県議会、自民ポスト独占半世紀/神河町議会、5期10年継続 町の顔役

 同じ地方議会でも議長の任期や選び方は、規模や地域性などによって異なる。

 兵庫県議会(定数86)では、最大会派・自民党が所属議員数の「数の論理」で半世紀以上にわたり正副議長を独占し続けている。

 正副議長の任期は、地方自治法には「議員の任期(4年)による」とあるが、県議会では1年交代が慣例化。毎年6月の定例会で、正副議長が自ら「辞職願」を提出し、選挙を行う。

 ただし首長選挙のように立候補はせず、全ての県議が、正副議長に推す議員の名をそれぞれ紙に書いて投票する。議会の公平な運営や先導役を担う重要ポストだが、その選ばれ方は有権者から見えにくい。

 自民会派では、会派として投票する候補を事前に決めている。議長候補となる資格を持つのは当選4回以上で、会派の幹事長や政務調査会長の経験者。ポストが回ってくるのを待つ中堅・ベテラン議員が少なからずおり、会派内で投票して競うこともあるが、「たらい回し」との批判はある。

 これに対し、長岡壮寿議長(59)=自民=は「決して単なる名誉職ではない」とする。「議長自ら他会派の声を聞き、合意を取るために動かないと、議会は前に進まない」と強調する。

 1年交代についても「就任時にテーマを決めておけば1年で足りる。いろいろな人材が議長をやることで議会の多様性も増す」。自身の任期では防災力の向上を掲げ、災害時の議員の役割や議会の対応を議会基本条例に盛り込んだ。

 一方で「議会を代表し、対外的な付き合いを重視してきた。(国などに)陳情に出向いても顔が利く」と長期在任の利点を説くのは、兵庫県神河町議会(定数12)の安部重助議長(72)。県内町議会で最長の5期10年(1期は2年)にわたり“議会の顔”を務める。

 財政基盤の弱い町にとって、国・県や近隣自治体との連携は重要で、町を活性化するための情報収集に余念がない。議長改選のたびに所信表明も行うなど、議会の先頭に立ってきた。

 だが今の議長任期が満了する5月で区切りを付けるつもりでいる。「マンネリ化は否めない。次の人に違うカラーを出してほしい」

 県と県内41市町で立候補制を導入しているのは26議会。大半で所信表明があり、公開している議会も多い。一方で県や神戸市など規模の大きな議会は会派間の調整で決めており、二極化している。(井関 徹)

2020/3/26

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