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スーピースーピー、至福の時
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スーピースーピー、至福の時

■忘れられない猫

タマちゃん(オス・5歳)は民家の庭に兄弟と一緒に現れた。住人は家に入れることはなかったが、ごはんを与えて面倒をみて保護、「アニマルバディ延岡」という保護団体が月に一度開催する地元の譲渡会に参加した。

2016年9月11日、宮崎県に住むTさんは、猫が大好きなので、可愛い猫を見たいと思い譲渡会に行ってみた。軽い気持ちで参加したが、Tさんはそこで思いがけずタマちゃんと出会った。

「タマは白猫で長毛の兄弟猫と2匹でケージに入っていました。まだ生後5カ月の子猫でしたが、参加猫の中では成長している方でした。紹介文に『猫じゃらしが大好き』と書いてありましたが、本当に?と疑ってしまうほど元気がなかったんです。兄弟猫と一緒にうずくまっていました」

Tさんは、昔飼っていた猫が亡くなってから、両親が猛反対していたので猫を飼うのはあきらめていた。しかし、譲渡会の時に一番元気がなかったタマちゃんのことが気になった。初めて抱っこした時に大人しく抱かせてくれたことや甘えん坊なところなど全てが忘れられず、反対する親を必死で説得して、半ば強引に家族に迎えた。ただ、長毛の兄弟猫を引き取るのはあきらめたので、いまも後悔しているという。

■一週間もすると元気に

2017年1月22日、タマちゃんが家にやってきた。タマちゃんは食欲もなくおとなしかったが、1週間経つ頃には食欲旺盛になり、「猫じゃらし大好き」という紹介文にも納得、じつによく遊ぶようになったという。

二文字の名前が良かったので、白猫で思いつくキャラクターを思い浮かべていたら、サザエさんの飼い猫タマちゃんが候補に浮上、すぐに「タマちゃん」に決定した。

家族には甘えん坊で寂しがり屋、布団の中に入れると安心するのかすぐに寝る。家族以外の人が来ると隠れてしまう臆病者だが、おっとり優しくて、シャーッと怒ったことはない。

■「#猫アレルギーだけど猫飼ってます」

タマちゃんは1歳になった頃から咳をするようになり、気になって病院へ連れて行ったら「肥大型心筋症」と診断され、長生きはできないと言われた。2020年4月には尿路結石がひどくなり、「このまま死んでしまうかもしれない」と思ったが、なんとか症状が落ち着いた。

Tさん自身もタマちゃんと暮らす5年前に猫アレルギーを発症。ひどい時は病院に行ってアレルギーの薬を処方してもらっている。

「でも、タマががんばって生きているのを見ると、猫アレルギーを乗り越えて一緒に暮らしたいと思えるんです。猫アレルギーの人に猫と暮らすことを強要するつもりはありませんが、猫アレルギーでも猫を飼えないわけじゃない。飼うことができることもあると知ってもらいたいんです」

Tさんは、インスタに「#猫アレルギーだけど猫飼ってます」というハッシュタグをつけている。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

2021/6/7
 

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