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選挙ポスターのイメージ(hanack/stock.adobe.com)
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選挙ポスターのイメージ(hanack/stock.adobe.com)

街でよく見かける「政治家が2人並んだポスター(2連ポスター)」について、ずっと気になっていたことがある。どのポスターにも、近づいて目を凝らさないと気づけないほどの小さな字で「演説会」の案内が記載されており、しかもその日程が例外なく何カ月も先に設定されているのだ。中には数年後なんてものもある。これ、本当にやってるんですか?

10月17日、10月31日、11月1日、11月21日、12月30日、2022年1月2日、2025年9月12日…。今夏、大阪や神戸などで掲出されている衆院議員(候補)の2連ポスターを片っ端からチェックしたところ、演説会の日程はこのように多岐にわたった。日付が遠いものだと年末や年始、果ては4年後というものまで確認できたが、大半は今年の秋、それも10月下旬から11月にかけての週末に集中していた。

調べてみると、どうやらこれは公職選挙法(公選法)が関係しているらしい。公選法では、任期満了まで半年を切ると、立候補予定者が1人で写っているポスター(単独ポスター)を掲示することは禁じられる。しかし「立候補予定者」と「もう1人(多くは党首など知名度がある議員)」、そして政党のキャッチフレーズなどが記載された2連ポスターの場合は「選挙活動」ではなく「政治活動」の一環とみなされ、規制の対象外になるらしい。とはいえ、選挙が公示・告示された後はやはり撤去しなければならない。

実は演説会の告知は必須ではないが、慣例として広まった。その開催日が「かなり先」に設定されているのも、選挙が始まるまで貼り続けておけるようにという各立候補予定者の“戦略”から。次の衆院選は10月21日の任期満了か解散に伴って行われるが、演説会の日程はそのスケジュールを見越して決められているようだ。

■「本気で演説会を告知したい人はいない」

理屈がわかれば、「演説会なんてハナから開く気はないのでは?」という思いはますます強くなる。実際のところ、政治家本人はどう考えているのか。兵庫1区の元衆院議員、井坂信彦さん(立憲民主)に聞いてみた。

「明らかに演説会の告知が目的ではないわけですから、普通の感覚では気持ち悪いですよね」

立候補予定者が選挙前に顔と名前を売り込みたい…そんな“本音”が有権者に透けて見えているという自覚は、やはりあるらしい。

「演説会を告知したくてポスターを貼っている政治家は、おそらく全国に1人もいないんじゃないでしょうか。記載している日程で本当に演説会を開くかどうかは、陣営によると思いますが…」

え、それは「本当にやっている」人もいるということでしょうか。

「私はむしろ『告知したからには、やらなきゃいけない』と思っているので、実際にできる日を書いています。今年の4月(衆院の任期満了6カ月前)から掲示している私の2連ポスターには『12月30日』と記載しましたが、その理由は、もし次の選挙で当選しても普通はこの日に国会はなく、地元にいられるから。演説場所も駅前なので、事前の予約や許可なども特に必要ありません」

では2連ポスターで並んでいる「相手」もちゃんと呼ぶ?

「正直、そこはグレーですね…。例えば相手が党首だったりすると、さすがに難しいかもしれません。私が何年か前に告知通り演説会を実施したときは、相手の方は都合が悪く、来ていただけませんでした」

「どの陣営も、『完全に架空の演説会』というわけではないと思いますよ。そもそも、実施する可能性のない日程を書いていたら、それは“告知ポスター”ですらありません。もしどこかの陣営に『やるんですか』と真正面から確認したら、嘘でも『その予定です』と答えるでしょうね」

あれえ!? それってつまり…。

「いえいえ、うちの事務所は真面目なのでやりますよ(笑)」

皆さんの地元に貼られている2連ポスター、演説会はどんな日程になっているだろうか。衆院選が公示され、これらが撤去された後も開催日を忘れずにいるという奇特な人は、なかなかいないかもしれませんが。

(まいどなニュース・黒川 裕生)

2021/8/27
 

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