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30年の新喜劇生活を振り返る川畑泰史座長
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30年の新喜劇生活を振り返る川畑泰史座長

吉本新喜劇の川畑泰史座長(54)が9月10日、大阪市のなんばグランド花月(NGK)で「川畑泰史新喜劇生活30周年記念公演」を開催する。同じ90年入学のNSC(吉本総合学院)9期生だったナインティナインや矢野・兵動、へびいちご、解散したお笑いコンビ・チュパチャップスでコンビを組んでいた星田英利と宮川大輔、杉岡みどり、同期の博多華丸・大吉らが集結。小籔千豊、すっちー、酒井藍の各座長も華を添える。

1991年に吉本新喜劇に入団した川畑座長の新喜劇生活30周年を飾るステージには、そうそうたるメンバーが集まった。「豪華すぎる。このメンバーやったら、自分はおもしろくなかったはずやわ。みんな本当に面白かった」と、ともに駆け抜けた30年間を振り返り謙遜する。特にNSCで同期だった面々とは互いに芸を磨き、意識し合い、同じ夢を目指した仲間だという。

芸歴的には、2020年が30周年だった。同期のメンバーと会うたびに「何かしようか」と意気投合していた。同年はコロナ禍でイベント開催がままならず、川畑座長の記念イヤーにようやく集結を果たした。「去年できなかったので、同期も来てもらおうという感じだった。断ろうといえば断れるのに、周りの人がみんな優しかった。スケジュールも合ったという運の良さ。奇跡のよう」と感謝を欠かさない。

高校卒業後、薬品卸会社のサラリーマンをしていた。ファンだったダウンタウンの番組は欠かさず見ていたというが1989年末、ダウンタウンのテレビ特番を見て突き動かされるものがあったという。雑誌で吉本興業の電話番号を知り「NSCに入りたいんです」と告げた。1990年1月4日。日付まで鮮明に覚えていた。

川畑は「いい会社だったんですけど、このまま会社でやっていくのかと悶々としていた時期でもあった。行動的やったなという感じですよね。高卒でまる4年なんで、同級生が大学4年間いって、彼らが卒業したと同時に吉本に入りました。何してんねん、という感じですよね」と笑う。

当時の吉本新喜劇は今田耕司や東野幸治、130R(板尾創路、蔵野孝洋=ほんこん)らがキラ星のように輝いていた時期だ。「新喜劇に入りたいというよりも、入られへんもんやと思っていた。漫才とかピン芸とかで結果を残さないと。NSCの時は、新喜劇に入るなんて発想や選択肢はなかった」と語る。

川畑は「NSCを卒業してから新喜劇のオーディションみたいなものがあって、そんなんあるんや!と思って。卒業生みんな受けると思っていた」と振り返る。吉本新喜劇のオーディションを受け、ナインティナインの岡村隆史や矢野・兵動の矢野勝也、杉岡みどりらと同時に新喜劇入りした。

新喜劇入団当初は、客前よりも先輩芸人たちを前に演技することに緊張していたという。「怖くて怖くてしようがなかった。テレビで子どもの時から見ていた人ばっかりがいる中にポンと飛び込んでいくんで。楽屋でも舞台でも。ちょっとでもいい風に見せたいですし、諸先輩方とかスタッフに“こいついけるな”と思ってもらわんと仕事入って来ないわけですから…」と述懐する。

新喜劇生活の大きな転機になったのは、2001年の小籔の新喜劇加入だという。「吉本新喜劇的にもターニングポイント。一番大きく動いた出来事じゃないですか。新喜劇に来て、大きくムードが変わった。彼がいなかったら、僕も座長になってない、なれていないでしょうね」。小籔は吉本新喜劇の良いところを伸ばし、悪いところを指摘。画期的なイベントも行い“革命を起こしたイメージ”だと話す川畑。「僕自身は革命の横にいさせてもらった感じですね」と控えめだ。

2007年に川畑が座長に就任する際、現在米大リーグ・マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏から「川畑さんがプレーイングマネジャーですか!」というお祝いコメントをもらったことが今でも印象的だという。「いや…そんな大層な」と思ったが、大打者のはなむけの言葉は、その後川畑に訪れる変化を言い当てていたという。

「自分がどう目立つかとか、どうやったら金儲かるか…という自分のことしか考えていなかったんですけど、真逆ですよね。座長になって180度といいますか。自分のことは置いといて、全体がウケんことには。全体がウケて、しかも自分が面白い。座長になったらそんな感じですね。それまでは自分が受けて、全体も面白いみたいな感じでした」と顧みる。

台本制作や演出、キャスティングにも加わり、新喜劇の制作チームやプロデューサーとともに「この子伸びるんじゃないか」という視点にも立つ。「(イチロー氏の言葉は)監督してバッターとか、古田さんとか野村さんとか。プレーイングマネジャーとか、そんな表現をしていた。まさにそういうのに近い。座長になる前はよくわからなかったんですけど、すごい言い当ててはるなあと感じました」と驚く。

座長に就任して14年。自身の新喜劇生活30周年の記念公演は、ひとつの区切りの舞台になるという。「ちょっと大人になる。14年座長をやらせてもらってますんで、何とか次の人にバトンを。それが、いつになるかわからないんですけど、いい形で渡せるようなことも考えながらの31年目になると思います」と語る。

豪華メンバーとともにつくる舞台。以前、吉本新喜劇の演出家が放った「新喜劇の面白さは、おもちゃ箱をひっくり返したような『さあ、どれで遊ぼう』みたいな楽しさ」という言葉に共鳴したという。

「台本作っている最中なんですけど、難しいところなんですけど、むちゃくちゃ楽しいですね。この人にこんなんしてもうたら楽しい、この人とこの人をこうからませたら楽しい。おもちゃ箱をひっくり返してさあどう遊ぼう、そんな感覚で見ていただいたら」と来場を呼びかけた。

(まいどなニュース/デイリースポーツ・杉田 康人)

2021/9/7
 

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