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警備関係者でしょうか。ただならぬ様子で、この場を離れるよう命じます(ノガミ陽さん提供)
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警備関係者でしょうか。ただならぬ様子で、この場を離れるよう命じます(ノガミ陽さん提供)

2001年9月11日火曜の朝、アメリカに暮らしていたノガミ陽(@9X9_NogamiAkira)さんは、修学旅行で首都ワシントンD.C.の中心部にあるホワイトハウスにいました。見学を待つ生徒たちの前に血相変えて現れた男性は「Get Out」(出ていけ)と、この場を離れるよう叫びました。ホテルに戻った一行はNYの世界貿易センターの航空機が激突したことを知ります。そしてそのビルには同級生のお父さんの職場があることも。 

米同時多発テロから20年。「911の日にホワイトハウスの目の前にいた日本人のはなし」と題した漫画がツイッターで広く読まれました。ユーザーは「あの事件は、テロの被害がいつ自身の身近に起きてもおかしくないという恐怖を、人々に植え付けたと思う」「もう20年前の出来事だけど、当時は日本でテレビ見てた人達にですら衝撃だったのよ。アメリカやニューヨークにいた人にとっては壮絶だろう」「国旗の話にドキリとした」「すごいリアリティがあるな」と当時を振り返ったり、感想を述べたりしています。

作者のノガミ陽さんは幼小中高をアメリカで過ごし、当時は9月9日から始まった修学旅行に参加し、翌々日はホワイトハウスを見学する予定でした。11日朝、警備関係者とみられる男性がすっ飛んできて「早くここから逃げろ」と叫びます。一時避難した広場では「ペンタゴンに飛行機が落ちました。テロかもしれません」と先生が説明しますが、その時点ではうまく想像できなかったそうです。すべてを知ったのは、ホテルに戻りNYの惨事を伝えるニュースを見てから。そして、「私のお父さんはあのビルで働いています」という同級生の友人の言葉にみんなが動揺します。

不安を抱え、学校が始まります。笑顔であいさつする友人の様子にほっとしますが、友人は内に悲しみをこらえており、別の場所で涙を流していました。街中では、以前にも増して星条旗を見かけるようになりました。旗が売り切れたため、ポスターを窓に貼る家もありました。「貼ってないといけないような気がした」というセリフは、当時のアメリカ社会を象徴するかのようです。同時多発テロによる死者数は2977人でこの中には24人の日本人がいました。追悼式では犠牲者の名が読み上げられ、友人の父の名前もありました。

テロから数年後、帰国を前にノガミ陽さんは世界貿易センター跡地に向かい、花を供えました。テロとその後についてどう向き合えばいいのか、答えは見つかっていない。だからそこ、それを大事に抱えていいこうと自分に語り掛けます。 

日本じゃないから、直接関係ないから、もう昔のことだから。それでも絶対に忘れてはいけないこと。その一つが世界を震撼させた同時多発テロではないでしょうか。 

ノガミ陽さんは、漫画という表現を選んだ理由について「あの時の心境の複雑さと不明瞭さが漫画でなら残せると思いました」と語ります。そして「あの作品を材料に911について各々で考えていただけるのが一番うれしいと思っています」とコメントしています。

(まいどなニュース・竹内 章)

2021/9/25
 

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