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最悪な状況を想定して生きる、川栄李奈(撮影:石井隼人)
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最悪な状況を想定して生きる、川栄李奈(撮影:石井隼人)

声優としてもずば抜けた演技力で魅了する。女優の川栄李奈(26)が瑞々しい。イラストレーター・loundraw(ラウンドロー)の初監督作短編アニメーション映画『サマーゴースト』(11月12日公開)では、“サマーゴースト”と呼ばれる幽霊少女の声を務める。

声優業はこれで6度目という堂に入ったもの。女優としても堅調で、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では、上白石萌音、深津絵里と共にヒロインを務める。川栄曰く「引っ込み思案だった幼少期」がウソのように、今や芝居を通して伸びやかに自己表現。でも本質的な性格は何も変わっておらず、川栄は言う。「私は常に最悪な状況を想定して生きている」と。

■ローテンションな根本は変わらず

小学生時代は母親の後ろに隠れているような少女だった。授業中に具合が悪くなっても恥ずかしくて言い出せず、高熱を出して倒れるようなこともあった。「引っ込み思案で大人しく、自分の意見を言わない。それは今も変わらず、流れに身を任せて生きているような感覚。中学時代の友達からも『ローテンションな根本は変わっていないね』とよく言われます」と笑う。

そんな消極的な性格が高望みしない冷静な思考を形作った。「お仕事を貰えている状況は長くは続かないだろうと、マイナスなことを考え、常に最悪な状況を想定しながら生きています。お仕事はあくまでもご縁。たとえオーディションに落ちても気持ちの面では落ち込まない。そもそも受かるとは思っていないので無駄にクヨクヨしない。受かったら『ラッキー!』、お仕事をもらえたら『やったー!』というマインド」とシンプルながらも達観すらある。

ガツガツしていない人。しかしこと役柄を与えられた途端、思いもよらぬ輝き方をするのだから驚かされる。普段できない感情の発露を、自分ではない誰かを通して行う快楽を知っているからだろうか。「確かに普段できないからこそ、お芝居を通して喜怒哀楽を思い切り楽しんで放出しているのかもしれません」と実感を込める。

■代表作と胸を張って言えるような作品に

6度のヒロインオーディション挑戦を経て掴んだ朝ドラ『カムカムエヴリバディ』。抜擢の知らせはもちろん嬉しかったが「もはや朝ドラは受からないものだと思い込んでいたので不思議な感覚。本当に私なのかな?と思ったほど」とさほど舞い上がらず。それ以上に「両親や地元の友達、周囲の人たちが喜んでくれたのが一番嬉しかった」と素朴さをうかがわせる。

30代突入に向けての心の準備もしている。「主演もできて脇役もできる人に憧れるので、幅広いポジションを務めることができる30代をイメージしています。そのためには色々なことに挑戦したい。30歳になるまでに、私の代表作と胸を張って言えるような作品に出会いたい。新たな出会いにも期待し、支えてくれる人たちをこれからも大切にしていきたいです」と力を込める。

映画『サマーゴースト』での、質の高い川栄の声の演技にも注目が集まりそうだ。「監督から『声も張らず、ボソボソと喋ってくれて大丈夫』と言われたことに驚き。これまでの声優業では声を張ることが多くて、その真逆も言われたわけですから。声優の仕事はこれで6度目ですが、今までの経験とは違うことが多くて新鮮でした。イントネーションや語尾にも微妙な調節をしてキャラクターを演じました」と熱演を報告している。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

2021/11/11
 

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