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グループワークをする中学生たち…地元の中学とはいろいろと違うことが多いです ※画像はイメージです(milatas/stock.adobe.com)
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グループワークをする中学生たち…地元の中学とはいろいろと違うことが多いです ※画像はイメージです(milatas/stock.adobe.com)

中学受験を取り上げた、柳楽優弥さん主演のドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』が10月から始まり、話題になっています。原作となったマンガは累計200万部を超す大人気コミックで、中学受験をする家庭のバイブルとも言われています。こういったドラマやマンガに触れて、中学受験に興味を持ったものの、「私立中は学費も高いし、通わせるのは大変そう」と感じた親たちが次に考えるのが、「公立中高一貫校」ではないでしょうか。授業料は無料だし、私立ではなく公立だから、地元の公立中学校(以下、地元中)とそんなに違いはない…と思いがちですが、実は異なることが多くあります。公立中高一貫校に興味を持った保護者のみなさんに、わが子が公立中高一貫校に入学して驚いたことを紹介します。

■【1】 意外と出費が多い

公立中高一貫校の中学校は、公立で義務教育ですから、地元中と同様に授業料はありません。しかし、その他の部分での出費が多くて私は驚きました。

わが子が公立中高一貫校へ入学すると、教科書よりも多い副教材が配布されました。地元中に子どもが通っているママに確認したところ、地元中の副教材よりもはるかに多かったです。教科書は義務教育だから無料ですが、副教材は有料ですから結構な出費になりました。

学校行事にも、出費が多くかかりました。職場体験の実習先は教師が厳選して選んでくれて、保護者の私にもとても魅力的に感じるものばかりでした。しかし、その実習先は県内各地に散らばっていました。学校から近ければ定期を使えるけど、学校から遠い実習場所が多くて交通費は結構な金額になります。

地元中の職場体験は学区内のスーパーマーケットや保育園などで行われるので、毎年その時期になると中学生をよく見かけました。一方、わが子の通う公立中高一貫校の職場体験では「実習先って、学校の近くじゃなくて、こんなに遠いの?」と驚きました。

このような「教育効果が最優先、出費は惜しまない」方針は、他の学校行事でもみられました。公立小学校では「出費は必要最小限に」という配慮が感じられましたが、公立中高一貫校ではそのような配慮はあまりないように感じられました。学校へ提出する課題がパソコンで仕上げることを前提としたものばかりだったのも、驚きました。

現在は、GIGAスクール構想により公立小中学校でもパソコンかタブレット端末が児童に一人一台配布されています。しかし、わが子の通う公立中高一貫校は、その前から、自宅に子どもが自由に使えるパソコンとインターネット環境が整っているのが当然のごとく扱われました。さらに、そのことを他の生徒や保護者が全く違和感を抱かないことにも、私は驚きました。

学習以外でも、出費はありました。公立中高一貫校の生徒の居住地は、地元中とは違って県内各地です。休日に友だち同士で遊ぶためには、家の近所というわけにはいかず、遠出します。遠出してすることは、買い物をしたり食事やお茶をしたり、高校生と変わらないように感じました。一つ一つの出費は大きくありませんが、積み重ねるとおこづかいや交際費も多額になるでしょう。

■【2】 授業の進度が早い

近年、東大合格者の上位ランキングは私立中高一貫校(高校からも入学可能な学校もあります)が占めるようになりました。

私立中高一貫校が上位を占める理由の一つが「中学・高校6年間で学ぶ内容を高校2年生までに学び終えて、その後は大学入試対策に集中する」からと言われています。一般的に先取り学習と呼ばれるものです。そのため、私立中学校の授業の進度は地元中に比べて速いです。

一方、公立中高一貫校はあくまで公立なので、授業は学習指導要領に沿ったものとされています。わが子の通う公立中高一貫校の受験生向けの学校説明会でも「先取りはしません。ただし、学問を深めるために、たとえば総合科目では大学で学ぶような統計を学ぶかもしれません」と言われました。実際に、わが子はレポートでそのような統計手法を使っていました。

今となっては、私はその言葉を信じ過ぎたと反省しています。入学前にわが子にもっとしっかり予習させるべきでした。

わが子が公立中高一貫校に入学して配布された副教材は、授業の先取りをしている私立中高一貫校の多くが使用している検定外教科書でした。実際に授業が進むと熱意のある先生が学問を深めているとも感じましたが、授業の進度の速さは私立中高一貫校のものと同じように思われます。近隣の公立中高一貫校もわが子の学校と同様に検定外教科書を使用して、私立中高一貫校と同じような進度で授業を行っていました。

わが子は英語については入学前に問題集を解くなど予習をしたつもりでしたが、進度が速くてついていけずに苦労しました。

■【3】 保護者の意識や家庭環境が違う

公立中高一貫校の入学式に参加したら、両親揃って参加するご家庭が多いように感じました。しかし、小学校の卒業式でも父親が出席するご家庭が多かったから、特に違和感はありませんでした。

驚いたのは授業参観です。土曜日、平日のどちらでも、母親とともに多くの父親が授業参観に参加していました。授業参観後に行われる保護者会にも父親が出席していて、さらに驚きました。わが子の通っていた公立小学校では授業参観や保護者会に参加するのは、ほぼ母親だったからです。地元中に子どもを通わせているママに聞いても、同じく母親ばかりだそうです。

さらに、PTAのランチ会にも多数の父親が集まりました。そもそも、保護者の交流のためにランチ会を開催する発想にも驚き、学校教育に対する両親の意識の高さを感じさせられました。

入学後の保護者の試練といえば、PTAや保護者会の役員決めですね。毎年悲喜こもごも、いろいろなドラマが生まれているのではないでしょうか。わが子が公立中高一貫校に入学した際には、「どんな雰囲気かな、勝手が分からないし正直やりたくないな」と私は恥ずかしながら後ろ向きな姿勢で臨みました。

しかし、心配は杞憂に終わります。教師が「役員を引き受けてくださる方はいらっしゃいますか」と言い終わるのと同時に保護者が挙手して、あっという間に役員が決定しました。中学3年間、いつもそうでした。わが子の学年だけでなく、どの学年でも同じように決まっていると聞いています。

会話や持ち物から感じる各家庭の世帯収入も多いようです。コロナ禍前の夏休みは、当たり前のように海外旅行に行った生徒が多くて面食らいました。

前述のとおり、子どもが自由に使えるパソコンやインターネット環境が整っているのはもちろんのこと、自由研究のような課題に取り組むためのサポートを手厚く行う保護者が多かったです。高価な機材を用意したり、見学のために遠方へ訪問したり、「そこまでやる?」と驚きました。課題の答えを教えるのではなくて、子どもが課題に取り組むためのサポートにはお金も手間も惜しまないと感じました。

公立中高一貫校に入学した生徒の多くが、中学受験では私立中を併願しています。そのため、保護者の意識や家庭環境は、私立中とほぼ同じだと私は考えます。

■入学してから驚かないように…しっかりと確認しよう

今回は紹介しませんでしたが、公立中高一貫校の入試にあたる適性検査には、私立中と同様にしっかりと受験勉強を行う必要があります。多くの公立中高一貫校では志願者が入学者を大きく上回り、倍率はとても高いです。地元中と同じ公立といっても、公立中高一貫校を志望するならしっかり準備をしてください。

入学してからも、公立中高一貫校は地元中とは大きく異なります。公立ではありますが、公立中高一貫校は私立中に似た部分が多いです。そのため、入学してから「公立なのに?」と驚くことも多いかもしれません。

公立中高一貫校が気になる方は受験対策を始める前に、公立中高一貫校についてしっかり確認することをお勧めします。可能なら、実際に通っている生徒や保護者に話を聞いてみてください。通塾していない生徒や保護者も参加できる塾主催の説明会もありますから、公立中高一貫校対策を行う塾に問い合わせてみることもよいでしょう。

私が知る限り、どの公立中高一貫校も熱心な教師が多く、充実した中学校生活を過ごすことができるでしょう。中学受験に興味を持ったら、公立中高一貫校も検討してみませんか。

(まいどなニュース/BRAVA編集部)

2021/11/13
 

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