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かつて王子動物園で獣医師を務めた経験のある某園園長もツイート(画像はツイート画面。一部変更を加えています)
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かつて王子動物園で獣医師を務めた経験のある某園園長もツイート(画像はツイート画面。一部変更を加えています)

■「動物園長は親切に園舎を案内してくれましたが」…??

 日本で3園しかない、ジャイアントパンダを飼育する動物園、神戸市立王子動物園。今年開業70周年を迎えた伝統ある動物園ですが、そこをめぐり、設置者であり、動物たちの飼養者でもある久元喜造・神戸市長のツイートがネット上で物議をかもしています。

 それは11月23日のもの。

 「2013年11月、市長になった直後の出勤途上、王子公園に立ち寄りました。動物園長は親切に園舎を案内してくれましたが、私の関心は動物ではなく、王子公園全体の再整備にありました。あれから8年、大学誘致など再整備基本方針の素案を取りまとめました。各方面のご意見をお聞きし、具体化を図ります」

 神戸市では、動物園のほかにスタジアムや体育館などがある「王子公園」全体の再整備を計画しており、動物園もそれに合わせてリニューアルされることになっています。今回のツイートはその素案が固まったことを受けてつぶやいたものですが、「動物園長は親切に…」の一文にショックを受けた動物園を愛する市民やファンたちから批判が殺到。老朽化が進む施設のリニューアルを、期待を込めて見守ってきただけに「動物に関心がない人がリニューアルを語れる?」「案内した園長さん気の毒」「動物にも失礼すぎる」との声が相次ぎ、炎上状態になったのです。

 火消しのためか久元市長は翌24日にもツイートし、「子供の頃からよく知っている懐かしい場所ですが、施設の老朽化が進み園舎も狭いものが多く、今のままでは動物たちにとって良くありません。これからの動物園に何が求められるのかしっかり議論しながら、園舎の改築も含め動物園のリニューアルを具体化させていきます」とつづりました。

 最初からそうおっしゃっていただければ…ですが、先のツイートには触れぬままだったため、「謝罪もないまま、よく平気で『動物のため』と言えますね」とさらに反感を買う事態。「あんな無神経なツイートをする方の言葉に説得力も重みも信頼もない」「動物だけでなく市民にも子どもにも関心がないのですか」など、怒りと落胆の声が連なりました。

 また、地元紙の神戸新聞の報道で、動物園内にある昭和レトロあふれる遊園地を廃止し、その場所に立体駐車場を整備するなどの素案内容が明らかにされたため、地域住民らから「安心して子どもと遊べるありがたい場所なのに」「思い出たくさん、奪わないで」「古いことがこの遊園地の魅力。残す策はないの?」との声も。今後詳細が決められる動物の展示方法についても、さまざまなコメントが寄せられました。

■世界基準に耐えうる施設を

 かつて王子動物園で獣医師を務めた某園の園長は動物園リニューアルについて思いを綴り、「人間目線で喜ばれる盆栽のような箱物ではなく、アニマルウエルフェアを最重視した世界基準の評価に耐えうる施設を」「世界の動物園は、生物多様性と地球環境保全の大切さを伝えることを目標とし、国内外に高貴な都市格を示す場」「これからの動物園に求められるのはしっかりとした飼育繁殖技術。動物の臭いと温かみと生命の尊さを受け止められる人材育成と正規専門職員の採用を」など、専門的立場からの発言が注目を集めています。

 一方、駐車場整備の必要性に理解を示す声や、スポーツ施設の廃止や集約に戸惑う声、そもそも動物園内に遊園地は不要ではという疑問、名物の桜並木はどうなるのか、立体駐車場計画地の近くで飼育されているゾウへの影響を懸念する意見など、動物や施設への愛あってこその言葉が並ぶ画面に「見てたら泣けてくる」という人も。このような状況も含め当のツイート主はどう受け止めているのか。市長室広報課に聞くと、「当該SNSは個人としての情報発信であり市として回答はできかねます」との返答でした。

 久元市長は最初のツイートで「各方面の意見を聞く」としており、「王子公園再整備基本方針(素案)」についての意見募集を担当する市の未来都市政策課では、「市民のご意見をいただくのはこれから。ご意見を反映させ案を固めていきます。どうぞお寄せください」とのこと。募集は12月10日から来年1月17日までの予定。神戸市のホームページから市民以外でも参加できます。

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)

2021/12/1
 

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