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冷凍食品や出来合い惣菜を出す親は子供を大切にしていないってホント?(イメージ画像)
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冷凍食品や出来合い惣菜を出す親は子供を大切にしていないってホント?(イメージ画像)

冷凍食品や出来合い惣菜を否定することは保護者を追い詰め、子どもが傷付くだけ…

過度な手作り料理信仰に警鐘を鳴らす意見がSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは思春期保健相談士、性教育講師として活躍するにじいろさん(@beingiscare)の投稿。

「図書館で手にとったある性教育関連の本、『子どもは冷凍食品や惣菜を並べられたら自分が大切にされてないことがわかる』というようなことが書いてあり、閉じて本棚に戻した。こういう考え、私は苦手。教育や子育て関連でわりと見聞きするけど、保護者を追い詰めたり、子どもが傷ついたりいいことない」

たしかに男女ともに職業を持ち、育児の手間もかかるようになった現代、すべての食事を手作りにするのは至難の技。手作りか出来合いかで子供への愛情など計れないことは冷静に考えればすぐわかることだ。にじいろさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「病後児保育園の先生が『冷食でも惣菜でも出してあげるときに愛情が入るから大丈夫!お弁当全部お惣菜でも全く気にしなくて大丈夫!』って言ってくれたの思い出しました。
母としての自分が仕事でいっぱいいっぱいで「先生えええ!お弁当ほぼ冷食ですー!やばいすか!!無理でした!」と言った時に。」

「閉鎖的で非常に自分勝手な考えだと思います。こんな小さい頃から保育園に預けられてかわいそうってのと同じですよね。
保育園でお友達もできたし、食事は終わりまで座って食べるって集団の中で学んでレストランでもおとなしく食べれるし、いいことも多いんですよって言ったらワナワナしてましたけどw」

「すごい本ですね(ほめてないです)
確かに
『あんたに作ってやる食事はない』
と言われながら、レンチンおかずばかり並び、他の兄弟姉妹に手作りおかずが並んだら
『自分は大切にされていない』と感じるかもしれないけど
そういう思考は、人を責めるだけですよね」

など数々の共感のコメントが寄せられている。

にじいろさんにお話を聞いた。

--性教育の専門家の間では、冷凍食品や出来合いの惣菜を否定する論調が強いのでしょうか?またそういった論調の方の性別、年代などに一定の傾向はあるのでしょうか?

にじいろ:性教育の専門家の間で、冷凍食品や惣菜を否定する論調が強いわけでは決してありません。私の場合、性教育仲間と食事のことを話題にすることすらほぼないです。

ただ一部の人、これは性教育に限らず、教育や子育て分野の人の中には、食事や持ち物など手作り信仰が強い人がいると思います。「手間暇かけた方が愛情が伝わる」というような。性別、年代に傾向は特に感じません。

--SNS上でもたまに話題になりますが、出来合いの惣菜や手作り料理でなくてはいけないという信仰を持つ人は一定数いるのですね。

にじいろ:手作りは手作りで素敵なことですが「~でなければならない」とか、他人に強要したり批判したりするのは違うと思っています。こちらの著者の方ではありませんが、とある性教育をされている方の講演をお聞きした時も、このようなことを言っていて残念に思ったことがあります。

一部の方ではありますが、いのちの大切さを伝えたいあまり、食や時間の大切さなどを強調しすぎる方がいるのも事実です。

--性教育とはどのようなものであるべきと思われますか?

にじいろ:性教育は、価値観の押し付けになってはいけないと思います。科学的根拠に基づくということがとても大切です。

そしてデリケートな内容でもありますので、性の多様性や家族の多様性、いろんな背景をもつ子どもがいることを忘れてはならないと思います。いのちの大切さや愛、奇跡、といった言葉を強調した性教育を受けて傷ついた、という子どもたちもいます。

ですので、そういったことも配慮しつつ、体と心を守るための科学的で具体的な情報、選択肢を伝え、それぞれが自分らしく幸せに生きるための教育でありたいと思っています。

--今回のSNS上の反響についてご感想をお聞かせください。

にじいろ:ちょっとしたぼやきがこんなに反響いただけるとは思いませんでした。

みなさん子ども時代の経験や思いをコメントしてくれた方が多かったように思います。「うちは冷食多かったけど大切にされていたよ」というように。食事と愛情は比例しないと。

食事は大切であることは間違いないですが、「~べき論」は人を苦しめますし、足りないものは他の部分でカバーできることを改めて感じました。

◇ ◇

人に対しても自分に対しても「~べき論」を持ち込むのは余計なストレスを増やすだけ。一人一人のこころがけで、優しく、ゆとりのある社会を築きたいものだ。

なお今回の話題を提供してくれたにじいろさんは昨年12月22日に十代の若者たちのリアルな性の悩みを紹介した著者「10代の妊娠:友だちもネットも教えてくれない性と妊娠のリアル」(合同出版)を出版。一生を左右することもある性の問題に真摯に向き合った意欲作なので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

2022/1/6
 

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