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かまいたち・山内健司(左)と濱家隆一
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かまいたち・山内健司(左)と濱家隆一

テレビのレギュラー番組だけで16本も抱えているという、今人気絶頂の芸人・かまいたち。テレビで見ない日はなく、あまりの忙しさから1日4本撮りの番組もあるという。かまいたちの2人、山内健司と浜家隆一の名字についてみてみよう。

山内健司は島根県の出身。これだけの人気芸人にもかかわらず、ローカル局で「かまいたちの掟」(さんいん中央テレビ)という番組を持っているのは、山内の地元だからだ。

「山内」という名字は北海道から沖縄まで全国に広く分布しており、全国ランキングでは111位というメジャーな名字。というのも、「山内」は「山に囲まれた内側」という地形に由来している。山の多い日本ではごく普通の風景で、「山内」のルーツは全国いたるところにあるといえる。

こうした中、「山内」が少ないのが山梨県と高知県。山梨県はそもそも甲斐国全体が「山の内側」で、あえて「山内」という名字を名乗ることが少なかったのだろう。同じような理由で、群馬県や長野県も「山内」はあまり多くない。

一方、高知県に少ないのは別の理由がある。土佐藩の藩主は山内家だった。江戸時代、殿さまと同じ名字は名乗らないという暗黙の了解があった。関ヶ原合戦後、掛川から山内一豊が藩主として入国してくると、もとからいた在地武士の山内氏は、同じ意味の「山中」に名字を変えている。そのため、隣の愛媛県では「山内」が極めて多いのに対して、高知県では「山内」はかなり少ない。

なお、「山内」は「やまのうち」とも読むが、比率でいうと2%以下。土佐藩主の山内家も「やまのうち」といわれることがあるが正しくは「やまうち」である。ちなみに、岩手県や青森県では「さんない」とも読む。

一方、浜家隆一の「浜家」という名字は珍しく、名字ランキングでは1万位以下。浜家隆一は正しくは「濱家」と書くが、この「濱」は「浜」の旧字体で、漢字としては同じもの。明治初期の戸籍登録の際にどちらの漢字を書いたかによる違いにすぎない。以下「浜」を使用しているが、すべて「濱」を含んでいる。

この「浜家」という名字は、広島県を中心に瀬戸内海沿岸に分布している。とくに竹原市忠海地区に集中しており、ここを中心に愛媛県・岡山県・兵庫県・大阪府と、海岸沿いに広がっている。ルーツは文字通り「浜にあった家に住んでいた人」だろう。そういう意味でも、海岸沿いに広がっているのは理にかなっている。

なお、岡山県などでは「はまや」と読むこともあるが、その他では圧倒的に「はまいえ」である。

◆森岡 浩 姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。学生時代から独学で名字を研究、文献だけにとらわれず、地名学、民俗学などを幅広く取り入れながら、実証的な研究を続ける。NHK「日本人のおなまえっ!」にコメンテーターとして出演中。著書は「47都道府県名字百科」「全国名字大事典」「日本名門名家大事典」など多数。

2022/1/15
 

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