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白い鳩が「争」をくわえて飛び去ります(静岡新聞社提供)
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白い鳩が「争」をくわえて飛び去ります(静岡新聞社提供)

鮮やかな青空を「争」の字をくわえて飛んでいく白い鳩ー。3月21日付の静岡新聞朝刊5面に掲載された全面メッセージ広告が話題です。穏やかな日常を過ごせることが決して普遍的ではないことを知ってしまったこの1カ月。ウクライナ、戦争、ロシアという言葉をあえて使わず、かけがえのない日常の尊さをこの広告は訴えます。

青を背景色にした広告の中央に配置された「静岡新聞」の題字。ですが、「静」は部首の「青」しかなく、斜め上には「争」をくわえて羽ばたく白い鳩が描かれています。そして紙面左下には「普通とは、奇跡だということ。」と題したメッセージが記されています。

新聞の題字をあえて“解体”したかのようなメッセージ広告の意図は。静岡新聞社静岡放送コーポレートマネジメント局経営企画部に聞きました。

ーメッセージ広告に込めたものは

「ウクライナへの軍事侵攻が始まり、日常が突如奪われる様を目の当たりにして、「普通」は尊いものだとあらためて感じました。静岡県は「普通」「平均的」と言われ、企業などがテストマーケティングの場とすることも多い県です。日本の縮図と言われることもある県だからこそ、今回のメッセージ広告には、「普通」「平和」について考える機会を作りたいという思いを込めています」

ーこの広告を見た人には

「弊社の社是は「不偏不党=真実の報道と公正な主張をもって静岡県民の福祉に貢献し、併せて国家社会の発展に寄与する」です。そのためには、平和であることが大前提です。同時に、いろいろな考え方の人がいることも前提と捉えています。人によってさまざまな受け止め方ができる、この広告について誰かと話をすることで相互理解を深められるような広告を目指しました」

ー着想はどこから

「静岡の「静」から「争」を取り除くと平和が訪れるというフレーム自体は、以前から制作チームの中で共有されていました。(使われたことはありません)。今回、別の広告制作を検討している中で、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、今こそメッセージとして発信すべきタイミングと動きました」

ー新聞の題字を広告でアレンジして使うことについて

「新聞題字は弊社にとって神聖なもので、本来、本紙の題字以外で使用することはありません。しかし今回は「普通」「平和」について、皆さんとともに深く考えるきっかけにつながればとの思いから今回の形での広告制作となりました」

同社はTwitterアカウント(@shizushin_news)でも広告の画像を公開。ユーザーからは「これ素敵でした」「一刻も早く、人々に普通を戻したい」「争い、飛んでけ」などの声が上がっています。

普通とは、奇跡だということ。

普通にあたたかい気候。
普通にすごしやすい環境。
普通にやさしい人柄。
普通にお茶とみかんがある食卓。
それらは奇跡だったということ。
でも、忘れてはいけない。
争いはそんな普通のなかに隠れているということを。
一人ひとりの思いと行動が、
明日の平和につながっているということを。

(まいどなニュース・竹内 章)

2022/3/26
 

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