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トレーナーの勤務形態はさまざま。スポーツジムに勤めるのも、そのうちのひとつ
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トレーナーの勤務形態はさまざま。スポーツジムに勤めるのも、そのうちのひとつ

スポーツ選手の健康管理やケガの予防、疲労回復などのサポートを行うスポーツトレーナー。仕事の具体的な内容や勤務形態には決まった形がなく、働き方や待遇はさまざまだという。2人のスポーツトレーナーに話を伺った。

■専門的な知識を求められるが「スポーツトレーナー」という資格はない

一口にスポーツトレーナーといっても、仕事の内容は多岐にわたる。愛知県でパーソナルトレーニングのジムを経営し、トレーナーを専業にしているKさん(29歳・トレーナー歴7年)に聞いた。

「練習や試合中に発生したケガの応急処置や1次救命処置をして、速やかに医療機関へ引き継ぐことや、ケガの治療、選手の健康管理、ケガからスポーツ活動に復帰する為のリハビリ、コンディショニングやパフォーマンスアップの為のトレーニング指導、トレーニング、リハビリ、コンディショニングの為の検査・測定・評価などを行うのがトレーナーの役割です」

Kさんが指導するのはスポーツ選手だけでなく、デスクワークが多いため肩こりや腰痛に悩むサラリーマンや手術後のリハビリを擁する患者さんなどにも、その人に合ったトレーニングメニューを提案しているという。

一方、大阪府八尾市で鍼灸院を営みながら、実業団、学生、スポーツジムなどと契約して兼業でトレーナーをやっている上野真功さん(36歳・トレーナー歴10年)は、Kさんと共通することに加えて「少しでも『心』の部分で力になれるように声かけをしています」という。また仕事の内容は、大きく「トレーニングを重視」「ケガからの回復をサポートする」というように分けることもできるという。

お二人によると「スポーツトレーナーになれる絶対的な資格はない」とのこと。理学療法士、柔道整復師、鍼灸師、あんまマッサージ指圧師などの有資格者がトレーナーをやるケースが多いそうだ。

実際にトレーナーとして働くためにはこれらの資格以外にも、競技、化学、医学に関する幅広い知識が求められるという。

じつは筆者が初歩的な誤解をしていて、本稿の取材に入るまでトレーナーとインストラクターを混同していた。この際だから、それぞれの違いについても聞いてみた。

「インストラクターでイメージしやすいのは、フィットネスクラブのスタジオでレッスンの指導をしたりトレーニングマシンの使い方を説明したりする人です」(Kさん)

「役割で分けると、トレーナーは身体のパフォーマンス向上を助ける人。インストラクターは技術を指導したり知識を伝えたりする人です」(上野さん)

■勤務先はプロチームや実業団から個人の専属まで。その収入は?

トレーナーが働く場所もさまざまだ。ざっと列挙してみると、トレーニングジムや、高校や大学施設などのトレーニング施設、接骨院・鍼灸院・整形外科、福祉施設・介護施設などがある。プロや実業団のスポーツチームに所属したり、個人のプロスポーツ選手専属トレーナーをしているケースもある。

勤務形態は、専業のKさんの場合だと、指導する選手らの予定にあわせて「フルタイム(練習日、試合全て)」「週に1回などのスポット」「試合に帯同するときだけ単発で頼まれる」というパターンがあり、休日は相手に合わせるため一定しないという。

鍼灸師と兼業している上野さんは、午前10時~午後9時までは自ら営む鍼灸院で勤務し、トレーナー業務は週に一度、夕方から21時ぐらいまでというパターンだ。

「鍼灸院は不定休で、土日にトレーナー業務での試合があれば帯同します」

では、月収はどれくらいかというと、Kさんは月によって変動するものの、総額で30~40万円になるという。

一方、上野さんは学生チームのトレーナー業務をしたときで2~3万円だという。上野さんによると「報酬の相場が存在しないので、勤務内容と収入が見合っているかどうかの判断は難しい」とのこと。

トレーナーとしてのやりがいについては「携わっている人が結果を出せたとき」(Kさん)、「選手がコートで思いっきりプレーしている姿を見ているとき」(上野さん)といい、やはりプレーヤーが最高のパフォーマンスを発揮することがトレーナー冥利に尽きるようだ。

トレーナーとしての苦労や将来に向けて考えている夢を聞いてみると、Kさんは「スポーツトレーナーの認知度が足りず、存在を知られていない」という。そのためか、仕事の内容を評価する方法や報酬の基準がないなど、仕事をする環境が整っておらず、職業として成り立っていないと嘆く。

「将来的には職業としての認知の向上や雇用の機会を生み出せる仕組みづくり、そしてスポーツそのものの価値を高めるお手伝いをしたい」

上野さんは「苦労は特にありません」といい、「鍼灸院とプロスポーツの現場との兼業を目標にしています」とのことだった。

   ◇   ◇

最後に、スポーツ選手にとって死活問題になりかねない「どうすれば良いトレーナーと出会えるか」を聞いてみた。

Kさんは「はっきりした評価基準がない」という。トレーナーを雇う側にしても、どういう形でお願いしたらいいのか分からない場合が多いそうだ。また、上野さんは「トレーナー側からSNSで情報を発信している場合は、自分から連絡して直接コミュニケ-ションをとってみるといい」という。

いずれにしても人対人の仕事なので、結局は「相性が合うことが大事」なのだそうだ。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

2022/5/1
 

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