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「攻め」の姿勢を貫く神戸の湊山温泉
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「攻め」の姿勢を貫く神戸の湊山温泉

世は空前のサウナブーム。都市部の人気施設ではサウナ入室待ちの行列ができるほどといい、中には既存のサウナに飽き足らず、アウトドアでテントサウナを楽しんだりする人たちまで…。そんなブームを何年も指をくわえて見ていたのが、平清盛ゆかりの湯として知られる神戸市の湊山温泉だ。抜群の泉質が熱心なファンの支持を集める一方で、館内にサウナの設備はなく、「ビッグウェーブに乗り損ねているのでは」と忸怩たる思いを抱えてきた。しかし2022年春、湊山温泉はついに、個室サウナを男女1台ずつ導入。サウナを愛する“サウナー”たちに「水風呂は源泉掛け流し。いい汗かきに来ませんか」とラブコールを送っている。

脱衣所の片隅に置かれた個室サウナは90cm四方で、高さは180cm程度の完全1人用サイズ。温度は120℃と本格的で、なんと小さいながらも熱したサウナストーンにアロマをかける「アロマロウリュ」も備える。

さらに特筆すべきなのは、外側の専用ボックスにスマホをセットすれば、サウナ内で好きな音楽を流せること。椅子の中にスピーカーが仕込まれているのだが、狭い空間で反響するので、全身を音に包まれているような感覚が味わえるのだ。

水風呂は、湊山温泉名物の源泉掛け流し。サウナ開始に合わせ、ブランデーの樽を加工した水風呂用の浴槽も自作して置いた。深さは58cmで肩までゆったり入れる上、浴場には椅子が6脚用意されており、心ゆくまで「ととのう」ことが可能という。

店長の阿部大さんは「見た目とは裏腹(?)に、満足度は極めて高い。1人なので、中で何でもできる。歌も好きなだけ歌えますよ」とアピール。4月28日に完全予約制でサービスを開始したところ、男女合わせて半月で延べ12人が利用したという。…12人!!? さすがに少なすぎる。

経営難で2015年に一度は廃業寸前まで追い込まれた湊山温泉。新会社の下で再スタートして以降は、様々なイベントを矢継ぎ早に繰り出したり、寝転がりながら漫画や絵本が楽しめる図書スペースを新設したりと、“攻め”の姿勢で注目を集める。実は3年前には屋上でテントサウナのイベントを開催するなど、サウナブームにあやかるタイミングを虎視眈々と狙っていたのだった。

最近は燃料費の高騰などでまたも厳しい状況に陥っているというが、阿部さんは「守りに入ったらダメになってしまう。サウナーのみなさんに、こんな風呂屋が神戸の片隅にあるんだということを知ってもらいたい。今はバズり待ちです」と身も蓋もないことを言う。

個室サウナは90分1950円(別途入浴料が必要)。事前予約制だが、今なら日時は選び放題だ。「料金が高すぎるのでは」と思った人もいるだろう。しかし、実は個室サウナの相場はもっと高いのが一般的といい、阿部さんは「むしろ安い。穴場です!」と力を込める。

(まいどなニュース・黒川 裕生)

2022/5/14
 

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