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じろう店長(右)と、くうちゃん(左)
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じろう店長(右)と、くうちゃん(左)

 山口県下関市にある猫雑貨店「General Store ZiRo」では、「ビッグボス」とも呼ばれているスコティッシュフォールドの「じろう」店長(オス、12歳)と、妹で黒毛の「くうこ」(メス、10歳 愛称くうちゃん)の2匹が、お客さんに愛嬌を振りまいている。飼い主でオーナーの玉井裕子さん(51)は、「辛いときや心が折れそうになったとき、じろうはいつも私のそばで励ましてくれる」と話す。2匹の接客ぶりなどについて、玉井さんに話を聞いた。

■店に連れてくると、たちまち人気者に

 幼いころから私の実家にはいつも猫が数匹いて、猫と一緒に暮らすのが当たり前でした。実家を離れてからはずっと借家住まいだったため、長年、大好きな猫を飼うことができなかったのですが、13年前、持ち家に住むようになり、これで思う存分、猫まみれの生活ができるなって(笑)。当時、私は看護師として病院に勤めていました。スコティッシュフォールドのカップルを可愛がって育てておられた職場の方から「子どもが生まれた」とのことで、じろうと、その妹(まお、メス、4歳で没)の2匹を譲り受けたんです。

 そのころ、私の家には看護師仲間がよく遊びにきていました。看護師の仕事は日々、患者さんの命と向き合う、心身ともにハードな仕事。小さい頃からぽっちゃり体型だったじろうは、そんな仲間たちをひととき癒してくれる存在でした。まおちゃんは4歳のとき、突然、心筋症で虹の橋を渡ってしまい、ショックを受けましたが、その少し前から、じろうやまおちゃんに背中を押されるようにして、職場に迷い込んだ子や車にひかれてけがをした子など、身の回りで出会った不幸な猫たちを個人的に保護し、自宅でじろうと一緒に暮らすようになりました。

 じろうは私が保護してきた猫たちの父親代わりとなり、よく面倒をみてくれました。気は優しくて頼もしい「ビッグボス」なんです(笑)。看護師の仕事を辞め、昔からやってみたかった猫雑貨の店を開いたとき、猫好きの方が多いだろうから、じろうは人が大好きだし、一緒に接客をしてもらおうと。それで店に連れてくると、たちまち人気者になりました。

■「でかっ!」体重は10キロ近く

 じろうを見たお客さんは、たいてい「でかっ!」とまず驚きます。実はコロナ前まで、じろうの体重は7キロほどだったんです。ところが現在は9・8キロまでに。コロナ禍で半年間ほど店を開けられず、ステイホームせざるを得なかったことと、「出勤」できないストレスによる食べ過ぎや運動不足が理由です。決して食事を与えすぎたわけではないのですが…。

 お客さんからすれば、どのくらいの重さなのか、実際に自分で確認してみたくなるんでしょう。「抱っこさせてもらってもいいですか?」と言われることが少なくありません。かつてスタッフがじろうを抱っこしようとしてぎっくり腰になったことがあるので、気をつけてくださいねというと、みなさん、慎重に腰をグッと入れて抱え上げ、記念写真を撮って、おおいに納得して喜んで帰られます。

 そんなときも、じろうは嫌がることなくじっとして、愛嬌を振りまいています。定期的に獣医師さんに健康チェックをしてもらっているので、今のところ健康体ですが、これ以上体重が増えないよう、特に食事には気をつけているところです。

 一方、くうちゃんも、じろうと同じ両親のもとで、じろうの2年後に誕生した子。なので、じろうの妹にあたります。くうちゃんは私の実家で両親と一緒にずっと暮らしてきたんですけど、他の猫たちとの相性が年々悪くなり、私が引き取ることに。イケメン好きで、女性が頭をなでてもだみ声で「ぎゃ」と愛想ない返事をするだけなのに、若い男性がなでると「にゃっ!」と喜ぶんですよ。明らかに態度が違うので、いつも爆笑になります。

■いつもピタっと巨体を寄せて、そばにいてくれる

 これまで私自身、離婚や大病を患うなど、辛いことがたくさんありました。そのたびにじろうに支えてもらってきました。じろうはささくれだったり、打ち沈んだりした私の心をそばで癒してくれる存在。私が悩んでいるときや眠れないときは、それがわかるのか、いつもピタっと巨体を寄せて、私のそばにいてくれます。「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。きっとなんとかなるよ」とでもいうかのように。

 今年1月、老犬の里親探しをしている知人からトイプードルの「メリー」(メス、推定10歳以上)を引き取りました。メリーは狭いケージの中に閉じ込められ、何度も出産させられて、長年、過酷な環境で過ごしてきた子。私が初めての家族なんです。じろうたちのもとで、幸せな老後を過ごしてくれたらと願っています。

 雑貨店を営みながら、あくまで自分ができる範囲内ですが、犬猫保護のお手伝いができるのも家族、友人の理解や協力はもちろん、他の猫や犬に対しておおらかなじろうがそばで支えてくれているからこそ。今も私は闘病中の身なのですが、じろうやくうちゃん、他の保護猫たちやメリーのためにも、体をしっかりと治して、ずっと元気でいなきゃって、強く心に決めているところなんです。

(まいどなニュース特約・西松 宏)

2022/5/15
 

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