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2リットルサイズも水源地ごとの4種類がある(高田強撮影)
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2リットルサイズも水源地ごとの4種類がある(高田強撮影)

■東西で味を変えるインスタント麺業界

  東西での味の違いでよく知られているのが日清のカップめん。「日清のどん兵衛 きつねうどん」「日清のどん兵衛 天ぷらそば」「日清のどん兵衛 カレーうどん」は東西で味を変えています。

 「日清のどん兵衛 きつねうどん」の場合、東日本向けは「カツオ」だしが基本。西日本向けは「昆布」だしの割合を多くしています。味の境界線は中部地区 (原則として岐阜県関ヶ原市)。関ヶ原市から東 (愛知県、岐阜県、三重県を含む) を東日本向け、西 (福井県、富山県、石川県を含む) を西日本向けとして販売しています。

 「どん兵衛」の場合、東日本用か西日本用かはカップのサイドなどに記載のある「(E)」=東、「(W)」=西のマークで判別可能です。ちなみにマルちゃんの「赤いきつね」と「緑のたぬき」も東日本と西日本で味を変えています。

■4つの違った水を全国販売するサントリーの「天然水」

  日清やマルちゃんのカップうどんは西と東の2エリアで味の違いがありましたが、それを上回る4エリアというのがサントリーのミネラルウォーターです。

 関西エリアでは「天然水 奥大山」が店頭に並びますが、関東圏では「天然水 南アルプス」、九州地方では「天然水 阿蘇」が販売されています。そして、昨年7月にデビューしたのが「天然水 北アルプス」です。商品名でわかりますが、この4種は味というより水源の違い。「天然水 北アルプス」は長野県や新潟県など、東海・北陸エリアに出荷・販売されています。

 天然水というブランドのもと、なぜ4つも水源が必要なのでしょうか。それはすごく売れているからです。サントリーの「天然水」は、「ジョージア」や「BOSS」、「お~いお茶」といった他のソフトドリンクを抑えて18年から4年連続で国内清涼飲料市場の首位をキープしているのです。ちなみに2021年の販売数量は過去最高となる前年比6%増の1億2010万ケースを記録。それで、全国に安定供給するために水源を増やしていった結果、現在の4カ所で取水することになっています。

■関西で飲めるのは「天然水 奥大山」

 よほどイレギュラーなことがない限り、関西エリアで入手できるのは、「天然水 奥大山」のみです。供給体制の都合だと思うのですが、基本的にほかの水源の水を購入することができません。amazonでも「サントリー 天然水 ミネラルウォーター」として販売されていますが、大阪で過去3回購入したところ届いたのはすべて「天然水 奥大山」でした。

 関西のコンビニやスーパーで「天然水 阿蘇」を見たことは1度もありません。そう考えるとどうしてもエリア外の欲しいサントリーの天然水が飲みたい場合は割高な個人店などの出品者が購入しかなさそうです。

■ 各地の「天然水」、4種類のペットボトルを入手!

 興味を持つと試したくなるので、いろいろなネットワークを駆使して、4種の天然水をかき集めてみました。4種を並べてみるとペットボトルの形状などは同じですが、ラベルのデザインが違います。

 「サントリー天然水」のラベルには、各水源の山々に加え、その地に生息する鳥や植物を描かれていて、最新の北アルプスのラベルには、餓鬼岳を中心として、鷹狩山から望む北アルプス連峰を背景に青い羽根色が特長のオオルリと、夏に黄色い花を咲かせるシナノキンバイをデザインしています。

 鳥のオオルリは「奥大山」「阿蘇」も同じですが、「南アルプス」は、甲斐駒ヶ岳を飛ぶルリビタキが描かれています。右下に描かれている花は「南アルプス」がフクジュソウで、「奥大山」がダイセンスミレ、「阿蘇」はユウスゲです。

■ 飲んでみました。違いは…

 さて、せっかく手に入れたので、飲み比べをしてみました。当然ながらわかりやすい味があるわけではありません。正直なところ常人にはほとんどわからないレベル…です。試飲を重ねるうち、「南アルプス」はスッキリキレがあり爽やかで、「奥大山」は口当たりがよくてやわらか、「阿蘇」にはほかにない力強さを感じます。「北アルプス」は「奥大山」に近いような気が。といってもかなり考えての答えです。

 天然水の味の大きな要素が硬度です。それぞれの硬度はやわらかい順に、北アルプスが約10mg/L、奥大山が約20mg/L、南アルプスが約30mg/L、阿蘇が約80mg/Lです。

 100mg/L以上が硬水とされるので、基本的にはすべて軟水。有名なフランスのミネラルウォーター「エビアン」は304mg/lの硬水です。硬水軟水ともに特長があり、軟水の方が出汁のうま味がとけ込みやすいという利点もあります。

■ 関西でも「南アルプス」の天然水が飲める!

 実は、まさに今、関西でも「南アルプス」の天然水が飲めるチャンスなんです。7月5日から、全国のコンビニエンスストアにて数量限定で発売されている「サントリー天然水 ラベルレス」。

 通常の「サントリーの天然水」とは違ってラベルがなく、ロゴがボコボコした新開発の「氷雪ピュアボトル」仕様なのですが、ボトル詰めをしたのがサントリー天然水南アルプス白洲工場なので中身は「南アルプス」。硬度20と30の違いですが、ものは試しなので、お茶やコーヒー、水割りなども含めて「奥大山」と飲み比べてみてはいかがでしょうか。

◆高田 強(たかた・つよし) フードライターとして関西エリアを中心に雑誌やwebで飲食店やフードトレンドについての記事を執筆。現在は「関西ウォーカー」、「おとなの週末」、「SKY WARD」などの雑誌、情報誌に寄稿。約月1回ペースで登場する関西テレビ「よ~いドン!」のほか、MBSテレビ「水野真紀の魔法のレストラン」などのテレビ番組にグルメ情報のナビゲーターとして出演。

2022/7/14
 

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