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普段は交通量が多い忠孝東路(写真左側)も演習中は車が消えます(撮影:Coco)
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普段は交通量が多い忠孝東路(写真左側)も演習中は車が消えます(撮影:Coco)

 台湾では年に一度、有事に備えて国中で防空演習が行われる日があります。演習の名は「萬安演習(ワンアンイェンシー)」。予告された時刻になると、ミサイルが発射されたことを知らせるサイレンが鳴り渡り、約30分間は屋内で待機しなければいけません。道を歩いていたり、警察が屋内へ誘導する指示に従わなかったりすると3万元以上15万元以下(約13万円以上約67万円以下)の罰金の対象になります。今年の演習を現地からリポートします。

■2022年は例年よりピリピリしたムード

 演習は1978年に始まって以来、毎年行われています。2022年は7月25日から始まり、地域ごとに4日間に渡って行われました。今年はロシアによるウクライナ侵攻を受けて少し強化され、例年よりピリピリした雰囲気が漂いました。走行中の車は路肩に駐車するのですが、台北市では運転手も屋内への避難を求められました。

 家や会社などにいる場合はそのまま屋内に待機で問題ありませんが、大型ショッピングモールなどでは地下の駐車場へ避難するよう案内されます。また、演習中は電車は通常通り運行していますが、目的地の駅に着いた場合は演習が終了するまで駅構内に待機します。市内を走る路線バスも演習中はサービスを停止します。

 筆者が住む台北市では25日、ランチタイムが過ぎた午後1時30分になると携帯電話に政府からのアラートメッセージが届き、同時に屋外では大音量のサイレンが響き渡りました。サイレンが鳴り響くのは3分間ほどです。毎年のことなので国民は慣れており、開始時刻の少し前から道路を歩く人はかなり少なくなります。路上にいる人も待機できる場所へと足早に去ります。

 筆者は台湾生活が長く、すでに9回ほど経験していますが、いつもは人が溢れている台北市が一瞬だけゴーストタウンのように人が完全に消える光景は何度見ても慣れません。特に高いビルから普段は交通量が多い道路を見下ろすと普段は見られない景色が見えます。

 演習の30分が経過すると携帯電話に演習終了を知らせるアラートが届き、もう一度サイレンが鳴り響きます。それを合図に、駅やビルから人々が一斉に外に出て、街は何事もなかったかのように普段の状態に戻ります。

 罰金に関してですが、過去には筆者の欧米人の友人が演習を忘れ自転車で街を走ってしまったことがありました。もちろん警察に止められましたが、謝ってすぐに屋内へ避難したところ罰金は課せられなかったと聞きました。台湾の警察は外国人には優しいことが多いですが、必ずしも見逃してくれるとは言い切れませんので、今後旅行で来られる方などは注意してください。

 日本ではあまり経験することのないこの軍事演習。普段、台湾ではリラックスして楽しい日常生活を送っていますが、毎年この演習を経験すると、政治的な問題が身近にあることを再認識させられます。このサイレンを演習以外で聞くことがないように、平和な日常が続くことを願っています。

(まいどなニュース特約・Coco)

2022/7/30
 

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