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おしゃれアップしたメアリー
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おしゃれアップしたメアリー

 友達の付き添いで訪れた保護犬施設で、1匹のワンちゃんに一目惚れ。その場で引き取ると申し出たのは着物コーディネーターの女性だった。繁殖目的でブリーダーに飼われ、赤ちゃんを産み続け、引退後に保護施設に引き取られた4歳のチワワの女の子。施設に来て4日目にして、新たな飼い主と出会ったのだ。

■友人の付き添いで訪れた保護犬施設で一目惚れ?

 一般社団法人「きものアート(KIMONO ART)」(本部・兵庫県神戸市東灘区)理事長で着物コーディネーターとしても活躍する鵜川有(うがわゆう)さんは、友人が犬を飼いたいということで、一緒について行くことにした。

 十数年前にミックス犬のオスとメスを飼っていたことはあったが、ペットの死後、一軒家で夫婦2人暮らし。「ペットショップや別の保護犬施設を見に行ったことはありましたが、良い出会いがなく、犬を飼う気持ちも失せていました」と鵜川さんは話す。

 この6月に犬を飼いたい友人が保護犬施設に行くというので、同行することに。施設に入ると、数十匹の保護犬がいた。犬種もさまざまで、ゲージに入っている子や、自由に走り回っている子…。たくさんいる中で、一瞬にして目が合ったのが、目がまん丸の小さなチワワの女の子だった。

 「不思議にその子以外、目に入らなかったんですよ」

 チワワの女の子をケージから出してもらい、椅子に座って抱き上げると、ひざから離れなくなったという。運命的なものを感じ、小さなチワワを抱いたまま、その場で決断。引き取ることにした。結局、友達の方は相性の合う犬を見つけられず、付き添いできただけの鵜川さんの方が保護犬を飼うことになったのだから人生は面白い。

■不妊去勢手術をしていない繁殖引退犬の“里親”に

 チワワは2018年2月27日生まれ。当時の体重は3.2キロだった。こんな可愛いわんちゃんがなぜ、と施設にと聞いてみると「ブリーダーさんのもとで繫殖用に飼われていたそうです。その役目が終わり、保護施設へ。引退するまで不妊手術などはしていないので、妊娠している可能性があるかもしれないと聞きました。もし、赤ちゃんができていたら後で考えればいいと思いました」と話してくれた。

 当日に急遽、連れて帰ることになったので、何も用意ができておらず、ドッグフードなどをわけてもらい、施設で使っていた犬用キャリーバッグを無料で提供してもらったという。そこから近くに住んでいる息子さんに連絡して、すぐに犬の用品を揃えてもらったという。

 「息子の家では犬を飼っているので、何が必要なのかが分かると思い、頼みました」。家につくと、ケージからトイレに至るまですべて揃えてくれていたそうだ。

 しつけは一切されておらず、おすわりもお手もできない。一番困ったのはトイレだったという。その日は、おむつをしていたが、家の廊下でウンチをした。翌日、庭に出すと、オシッコもウンチもしてくれ、以来家の庭がわんちゃんのトイレ場所に。「気長に教えていきます」と鵜川さんは話す。

 名前は直感で「メアリー」に決めた。「施設ですぐにこの名前が浮かびました。メアリーと呼ぶとその日から寄ってきてくれました。今では着付け教室に行く時などに連れて行っているそうで「メアリーは人懐こくて愛嬌がいいので、生徒さんからも人気があり、可愛がってもらっています。みんなから看板娘と呼ばれているんですよ」とのことだった。

 引き取って約1カ月。繁殖引退犬だったメアリーちゃんは、鵜川さんご夫婦や生徒さんさんたちに愛され、家や教室を元気に走り回っているという。脚にもしっかりと筋肉がつき、体重も少し増えた。痩せ過ぎていた体がちょっぴり幸せ太りになってきた。

 「あまり太るのは困りますが、うーんと幸せになってほしいので、愛情はいっぱい注いでいきます。今では我が家の家族ですからね」

 メアリーちゃんを抱いた鵜川さんは満面の笑みをたたえていた。

(まいどなニュース特約・山中 羊子s)

2022/8/1
 

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