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日本屈指のラーメン県・山形が生んだ「ヤマザワ(『サンコー食品』)の麺」
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日本屈指のラーメン県・山形が生んだ「ヤマザワ(『サンコー食品』)の麺」

ラーメン消費量日本一を誇る山形。県内には数多くの人気ラーメン店がある一方、「山形ラーメン」というべき傾向は見掛けられず、その味は実に様々です。各店が生み出す多彩な味を、山形の人たちは日々食べ比べながら親しんでいるように映ります。

他方、山形には地域に密着したスーパーマーケットチェーンがあります。その名は「ヤマザワ」。県外の人にはその存在をほとんど知られていないものの、山形県内に41店舗、宮城県内に19店舗を展開する各県の台所的スーパーです。

生鮮食品、加工食品などを多く取り扱うごく一般的なスーパーマーケットですが、この「ヤマザワ」では「麺コーナー」に特徴があります。他スーパーマーケットでは見かけないオリジナルの麺がズラリと陳列されているのです。

これらの麺の製造は「ヤマザワ」の100%子会社の「サンコー食品」が行なっています。「サンコー食品」では麺、牛乳、納豆、豆腐、こんにゃくや、惣菜商品を製造していますが、同社の商品を購入できるのは「ヤマザワ」各店と秋田にあるグループ会社のスーパーマーケット「よねや」のみです。

……と、ここまでは他の地域密着型スーパーマーケットチェーンにも見られることですが、この「ヤマザワ(『サンコー食品』)」の麺、聞けば中華麺だけでも1ヶ月22万パック近くを売り上げるとのこと。1パックの中には2~3食分の麺が入っているわけで、数字上では22万パックの数倍の麺が山形県人の胃の中に入っているという計算になります。

また、前述の通り、「ヤマザワ」自体は山形最大のチェーンということを考えれば、「山形で最も多く食べられているスーパーマーケットオリジナルの麺」ということになります。

筆者はたまたま出張で訪れた山形でこの麺に出会い、あまりの美味しさに感動。以来、山形を訪れるたびに数パックお土産として買って帰るようになり、ラーメン好きの友人にあげたり、冷凍して大事に食べるようになりました。

今回は、この「ヤマザワの麺」の秘密に迫るべく、製造元の「サンコー食品」を訪ね、製造工場を見学。その秘密をアレコレと聞いてきました。

■小さい工場の古めの機材……でも、だからこそ美味しい麺を作ることができる! 

「サンコー食品」の製造工場は山形市内にあります。「ヤマザワ」の規模感を鑑みれば、思ったより小さめの工場ですが、同社の社員の方によれば、「実は機材も最新のものではなく古いんです。ただ、このことで製造工程の全てを機械任せにせず、職員の目が必要になってくるため、最新の機材を使うよりも、美味しい麺を製造できると自負しています」とのこと。その製造工程を見せてもらうことにしました。

「サンコー食品」の中華麺は、おおむね2品目の高級小麦粉をブレンド。専用の機械でこね麺帯にし規格のカットで切り出します。完成した麺は、そのすぐ脇でパッケージ化し、順次各店へ納品する仕組み。

工程の大半は機械がやっているものの、機械の前には職員がその都度仕上がりを細かくチェックしています。完全なる機械任せではないアナログ的な印象も受けましたが、前述のコメントにもある通り、これらのことで美味しい麺を均一に作り出すことができるのだとも思いました。

■昨年大ヒットとなった「ちぢれ太麺」は一時品切れになるほどに……

「ヤマザワの麺」は、中華麺だけで11品あります。このうち昨年WEBメディアで紹介されたことで、一時品切れが発生するほどブレイクしたのが「ちぢれ太麺」という商品。強いウェーブがかかった、小麦の香りを強く感じられる麺で、筆者が「ヤマザワの麺」にハマるきっかけになった商品でもありました。

さらに、この「ちぢれ太麺」に、老舗メーカーが作ったタレを加えた「油そば」という商品も今年誕生。早くも人気商品になっているとか。また、夏場はとにかく暑い山形なので、夏季専用の冷たい麺(『冷やし中華』『中華ざる』『冷たいラーメン』)などもよく売れるそうで、これらも夏季は1ヶ月で17万5千パックほどの販売を誇るのだとか。

つまり年間を通して、山形県の人たちが「ヤマザワの麺」を食べていることになるわけですが、どうしてそこまでの支持を得られるのでしょうか。

■「地産地消」をモットーに、今後も地域の人たちに寄与していきたい

「ヤマザワ」の店舗数や、各商品の値付け(おおむね大手メーカー品と同等か、若干安い)などの理由から、山形県の人たちに多く受け入れられているとは思います。しかし、そうは言ってもやはり食品です。美味しくなければ売れないですし、まして冒頭でも触れた通りの「ラーメン消費量日本一」の山形。その味の評価は他県の人以上に厳しいようにも思います。この点についても聞いてみました。

「おっしゃる通り、山形・宮城には有名ラーメン店が多く、言い換えれば消費者の方の舌が肥えています。こういったニーズにお応えできるよう美味しい麺を作ることを一番に考えながらも、スーパーマーケットで販売する麺ですので、同時に安くご提供しなければいけません。この両方を両立させるべく、日々努力を重ねています。

また、中華麺11品目のうち、レギュラー麺(年間通して販売されるもの)と、限定品(夏季などの季節限定のもの)とで、粉の配合を変えたり麺の幅を調整しています。特に夏季限定品は、暑い季節に、茹でる鍋の前で待つ時間をできるだけ短縮していただくため、細めにカットするなど、できる工夫は全て実施し商品に反映させています」

ただ、筆者を含む県外の人にとっては少々残念に思うこともあります。これだけ美味しく、そしてリーズナブルな「サンコー食品」の麺は通販などを行なっておらず、山形・宮城にある「ヤマザワ」店頭でなければ買えないこと。この点なんとかならないものでしょうか。

「申し訳ありません。『サンコー食品』は見ての通り小さな会社で、生産量に限界があることと、『地産地消』を念頭に、地元の食材や調味料を使った商品開発にこだわっているため、大手メーカーさんのような大量生産ができません。

このため、現状では『ヤマザワ』の店頭でのご購入のみとさせていただいております。

今後も『サンコー食品』では、山形・宮城に根付いた昔ながらの懐かしい味の再現、そして簡単便利な商品の開発など、食を通じて地域の皆様の『健康元気』に寄与していきたいと考えております」

 県外の人の間では全く無名であるものの、山形・宮城では最も多く食べられているスーパーマーケットの麺「ヤマザワ(『サンコー食品』)の麺」。山形・宮城に行く機会がある方は「ヤマザワ」店頭でぜひゲットしてみてください。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

2022/8/4
 

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