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『保護猫カフェ にゃんこ』店長のカイです!
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『保護猫カフェ にゃんこ』店長のカイです!

 大阪府箕面市の新興住宅地。その中の1軒に『保護猫カフェ にゃんこ』のボードが掲げられていました。動物保護団体『認定NPO法人アニマルレフュージ関西』で10年以上ボランティアを続け、自身も保護犬や保護猫を家族に迎えている間狩裕子さんが、保護猫についてもっと知ってほしいと今年1月、自宅の1室を開放してオープンしたカフェです。

 ふと、視線を感じました。猫カフェ店長・カイくんが家の中からじっとこちらを見ています。カイくんは鹿児島県の種子島出身の元保護猫。海沿いの道路で拾われ、国道58号線にいたことから、当時の名前は「58」と書いて「ゴーヤ」くん。

■国道で保護されたときはガリガリに痩せていて、鼻水でカピカピだった

「発見されたときはガリガリに痩せていて、鼻水でカピカピだったそうです。最初から人懐っこかったみたいなので、きっと“家猫”だったんでしょう。そこでは危ないからと、見つけた方が廃校になった中学校に移してくれて、今は介護施設兼障がいのある方の通所施設になっているので、施設長の許可を得て、雨風をしのげる敷地内の男子トイレでしばらく暮らしていたんです。週末に持ってきてくれるフードのほかは、いろいろな方から残りもののごはんをもらって。ごはんにお味噌汁とか、すき焼きの残りとか…そんな塩分のきついものを!というごはんだったみたいですけどね(苦笑)」(間狩さん)

 猫風邪がひどく、最初はごはんを食べられなかったけれど、薬を飲ませてもらい、次第に元気になったゴーヤくん。多くの人にかわいがられていましたが、とはいえ、屋外での生活は常に命の危険と隣り合わせです。

 そこに現れた救世主が、種子島で鳥の保護活動をしている女性でした。猫は不慣れだったにもかかわらず、ゴーヤくんの保護を申し出てくれたのです。「ノミダニのお薬を飲ませたら、ボロボロと落ちたそうですよ」(間狩さん)。その後、女性と知り合いだった間狩さんが家族に迎えることを決め、ゴーヤくんははるばる関西へ。カイくんとして新たな“猫生”を歩み始めました。

「はじめは“ゴーヤ”のままにしようと思ったんですけど、名前を付けた方が『58号線に捨てられていたから付けた悲しい名前。変えてあげてほしい』と。そこで、私が大好きなハワイの言葉で海という意味の“カイ”にしました」(間狩さん)

 海の近くで生まれ育ったカイくんにはピッタリの名前です。

■過酷な外猫から洗練された家猫に

「ちょうど1年前にうちに来たときは“青っぱな”を出していました。猫の青っぱなを見たのは初めてでしたし、ウンチもドロドロ。病院に行くと、先生も見たことのない細菌がいると。島の人は、カイくんのウンチはいつもこんなだったって言うんですけどね。おかげさまでお薬で治って、今のカイくんの写真を島の人に送ると、洗練されて別の猫のようだって言われます」(間狩さん)

 もともとは“家猫”だっただろうカイくんが“さくらねこ”(不妊手術を受けたしるしとしてオスは右耳、メスは左耳の先を桜の花びらのような形にカットされた野良猫のこと。手術済みの猫が再度捕獲され、メスを入れられることを防ぐ)となり、“外猫”として暮らした数か月間は、やはり過酷だったのでしょう。

 種子島のみならず、鹿児島や沖縄の離島にはたくさんの野良猫がいて、TNR(T=Trap/捕獲し、N=Neuter/不妊去勢手術を施し、R=Return/元の場所に戻す)が追い付かない状況にあると言います。そして、TNRが終わっても不安は尽きなくて…。

「元の場所に放したあと病気になる子もいますし、人に警戒心があって逃げる子はまだいいけれど、人に寄って来る子は、心ない人から虐待を受ける可能性もありますからね」(間狩さん)

 幸い、カイくんはエイズも白血病も陰性で、猫カフェ店長として元気に過ごしています。お客様が来ると、膝に乗ってゴロゴロ。保護猫の魅力を伝えつつ、癒しの時間を提供しています。『保護猫カフェ にゃんこ』に遊びに行ってみたい方は、インスタグラムをご覧ください。

(まいどなニュース特約・岡部 充代)

2022/8/4
 

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