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コオロギのイメージ画像(R-DESIGN/stock.adobe.com)
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コオロギのイメージ画像(R-DESIGN/stock.adobe.com)

コオロギパンにコオロギせんべい、コオロギ粉末を使った給食…。急速な市場進出を果たすコオロギ食の議論が過熱している。ツイッター上には拒否感を示す声もあり、検索機能では「#コオロギ食反対」まで登場。コオロギ食を提供する企業をまとめた画像まで出回り、批判が殺到する事態となっている。専門家はこの状況をどう見ているのか。NPO法人食用昆虫科学研究会の伊藤貴広理事は「昆虫食は食べなければならないものではなく、あくまで食の選択肢の1つであると考えてもらった方がいい。嫌いな人は仕方ないので、今まで通り好きな人に嗜好品として楽しんでもらえれば」とする。

古くから国内で食用として利用されてきたコオロギ食。注目を集めたのは2013年。国連食糧農業機関(FAO)が、環境への負荷が小さく、栄養価が高い昆虫類の活用を推奨する報告書を発表したのがきっかけだ。牛などの家畜より飼料や水が少なくて済み、温室効果ガスの排出量も少ないと言われている。伊藤理事は「コオロギ食は環境にやさしいなど、SDGsと絡めて語られることが多かった印象です」と話す。

■生はNG、アレルギーには要注意

食用として利用されるコオロギは主に2種類あり、ヨーロッパイエコオロギと、フタホシコオロギ。「茹でて食べた場合、前者はさくさく感があり、味にはほのかな甘みがあります。後者は前者と比較すると皮が厚いため口に残りやすく、少々くせがある。なお与えるえさによって味は多少変わります」と伊藤理事。一般的に昆虫は消化管ごと食べるため、生で食べるのはNGで、細菌などのリスクを避けるためにも加熱は必須だ。

アレルギーにも注意が必要という。コオロギは近縁種のエビやカニなど甲殻類と類似成分を含むため、甲殻類アレルギーを持つ人はアレルギーを発症する恐れがある。

■ 「個人や企業への不当な攻撃はやめて」

近年はコオロギを扱う企業も増えており、SNS上では「コオロギを食べさせる前に、フードロスを減らすべき」「この企業の食品は食べない」などと根強い拒否感を示す人も多い。伊藤理事は「昆虫食は罰ゲームなどで使われてきたように、不潔で排除されるものだというイメージが強いし、気持ち悪いと思われても、ある程度は仕方ないと考えている。ただ、コオロギ食をはじめとする昆虫食を楽しんでいる人もいる。個人や企業への不当な攻撃はやめてほしい」と呼び掛けた。

(まいどなニュース・山脇 未菜美)

2023/3/3
 

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