多くの家庭で重宝されている麦茶ですが、朝に煮出して夕方まで冷蔵庫に入れずに放置してしまうこともあるでしょう。
では、このように放置した麦茶は、品質が悪くなってしまうのでしょうか。また、水出しと煮出しでは日持ちが違うのでしょうか。麦茶を安全に作り保存するためのポイントも含めて、株式会社食環境衛生研究所の担当者に聞きました。
■水出しも煮出しも、作った後の温度管理が重要
--常温では、何時間を目安に作り直すべきでしょうか。
菌は増殖しやすい条件では約20分で倍になり、1時間で約8倍になります。仮に作りたての麦茶1ミリリットル当たりに100個いたとすると、単純計算では3時間後に約5万個、4時間後には約40万個です。実際は容器や室温などで変わりますが、30~40度は多くの菌が増えやすい温度帯なので、夏場に3~4時間置いた麦茶は飲まない方がよいでしょう。作ったら常温に置かず、すぐ冷蔵するのが基本です。
--水出しと煮出しでは、保存期間が変わりますか。
煮出しは加熱直後の菌数を減らせますが、やかんを室温に置いたままにすると、菌が増えやすい温度が長く続きます。氷水などで速やかに冷やし、冷蔵庫へ入れてください。水出しも、完成後すぐ冷蔵します。10度以下では菌の動きが鈍くなるため、冷蔵で1~2日が目安です。ただし、水出しか煮出しかより、作った後の温度管理や容器の衛生状態が重要ですね。
--容器は、どのように管理すればよいでしょうか。
中までよく洗い、水気を残さず、しっかり乾かしてください。パッキンも外して洗います。口をつけると唾液から菌が入りやすいため、残った麦茶への継ぎ足しは避けましょう。ティーバッグも、表示された抽出時間を守って取り出してください。入れっぱなしにすると、菌の栄養になる成分が残り続けます。麦茶はカテキンによる抗菌作用も期待できないため、緑茶と同じ感覚で扱わない方がよいでしょう。
--傷んだ麦茶は、見た目やにおいで分かりますか。
変なにおい、味、濁りなどは傷みのサインですが、食中毒を起こす菌がいても、見た目やにおいに変化が出ない場合があります。違和感がなくても、安全とはかぎりません。また、菌が作った毒素には、通常の再加熱で分解されにくいものもあるため、『沸かし直せば大丈夫』とはいえません。飲んだ後に腹痛や下痢、嘔吐などの異常があれば、医療機関へ相談してください。
--子どもや高齢者、持ち歩く場合の注意点を教えてください。
子どもや高齢者、体調が悪い方などは食中毒の影響を受けやすいため、衛生管理をよりていねいにしてください。特別な方法よりも、手や容器をよく洗い、早く冷やして保存する基本が大切です。水筒で持ち歩く際は、清潔な氷を入れるなどして低温を保ちます。温かい状態で持ち歩く場合は、十分に加熱したものを清潔な保温容器へ入れてください。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
























