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復興への願いを込めて開催された「1・17 KOBEに灯(あか)りを inながた」。ろうそくに火をともす親子連れらの姿も目立った=17日午後6時34分、神戸市長田区、JR新長田駅前(撮影・中西大二)
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復興への願いを込めて開催された「1・17 KOBEに灯(あか)りを inながた」。ろうそくに火をともす親子連れらの姿も目立った=17日午後6時34分、神戸市長田区、JR新長田駅前(撮影・中西大二)

 被災者生活再建支援法に基づき、自然災害で壊れた住宅を再建する際、解体・撤去など周辺経費に最高二百万円を支給する「居住安定支援制度」について、兵庫県内の全壊住宅に対する支給実績は、世帯ごとに決まる上限額の48%(平均)にとどまっていることが十七日、県の調査で分かった。制度が十分に活用できないことで、住宅再建に向けた効果が機能していない実態を示している。制度創設当初から「住宅本体の再建に支給すべき」との批判が強く、調査結果は、二〇〇七年度に行われる見直し論議に大きな影響を与えそうだ。

 世帯ごとの上限額に対し、支給額を割り出した調査は全国で初めて。

 調査によると、同法が適用された〇四年の台風21、23号の県内の被災世帯で、今年十一月の申請期限までに支給が見込まれる世帯のうち、既に九割を超える千百七十二世帯が受給した。

 全壊六百六十三世帯のうち、居住安定支援金の受給対象は約三割の二百世帯だった。受給平均額は約五十九万円。世帯ごとに決まる上限額に対する支給割合は平均で48%しかなかった。

 このため、県は「国の施策では不十分」として、上限額との差額を本体再建費用にも充当できる支援金として、独自に支給している。

 半壊五百九世帯では、支給割合はさらに低く18%。

 同法に基づき、家財道具などの費用として、支給される生活再建支援金(最高百万円)は、全壊でほとんどの世帯が受給対象となり、支給割合が90%だったことと比べ対照的だった。

 制度導入に伴う〇四年の法改正時には、「私有財産に国費を投入しない」とする財務省に対し、「住宅再建の公共性」を主張する兵庫県をはじめとする全国知事会や、国会議員の関係議連などの意見が対立。

 与野党が衆参両院で「施行後四年をめどに制度の見直しを行う」との付帯決議を盛り込んだ経緯がある。(畑野士朗)

メモ

【居住安定支援制度】

 阪神・淡路大震災の被災地の声を受けて生まれた被災者生活再建支援法が改正されて盛り込まれた。改正法は2004年4月施行。同法で支給されるのは、従来の生活再建支援金と居住安定支援金の二本立てになった。居住安定支援金は、住宅が全壊または大規模半壊した世帯が再建する際、解体・撤去費やローン利子、賃貸の家賃など住宅本体の再建費用以外の周辺経費を、年収や年齢などの世帯要件に応じた上限額まで支給する。財源は国と都道府県の折半。

2007/1/18
 

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