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(8)明日への希望伝えたい  現代美術家 鈴木貴博さん(43)
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数百人が書いた「生きろ」の言葉。希望を伝えるアートだ=宝塚市内の自宅(撮影・斎藤雅志)
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数百人が書いた「生きろ」の言葉。希望を伝えるアートだ=宝塚市内の自宅(撮影・斎藤雅志)

数百人が書いた「生きろ」の言葉。希望を伝えるアートだ=宝塚市内の自宅(撮影・斎藤雅志)

数百人が書いた「生きろ」の言葉。希望を伝えるアートだ=宝塚市内の自宅(撮影・斎藤雅志)

 「生きろ」と書き続けることがアートだ。紙に、地面に、自分の体に。文字を並べ、その中で書く「イキロ プロジェクト」は1996年に始め、世界約30カ国で展開してきた。

 だが、昨年1月16、17日の西宮中央商店街(西宮市)ではためらいがあった。復興イベントでの企画は初めてだったからだ。大切な人を亡くした被災者はどう受け止めるのだろう。「生きろ」という言葉は強すぎないか。震災当時は米国を拠点に活動し、被災の現場を知らない。

 来場した人たちが一人、また一人と書いた。それぞれが背負う経験や未来を託すように約900枚の紙をササに結んだ。「生きろ」が揺れるササは、まるで命の森だった。

 「祈りに通じるのかもしれない。自分で書いた言葉は鏡のようなもの。心と向き合うのだろう」。ためらいは確信に変わった。

 その後も各地で続ける。書き始めた15年前に比べ、今日の方が反応が大きい。「不安だらけの時代。言葉がより切実なのかな」

 だからこそ明日の希望を伝えたい。宝塚市の自宅に約4千人分の「生きろ」を保管する。会場いっぱいに並べる日を目指し、今年も西宮中央商店街に向かう。(神谷千晶)

=おわり=

2011/1/15
 

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