連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大

神戸新聞NEXT

神戸新聞NEXT

神戸新聞NEXT

 災害時に自力避難が難しい「避難行動要支援者」をテーマに、神戸新聞社が兵庫県内41市町に実施したアンケートで、行政側がまとめた要支援者名簿のうち、半数以上の情報を自主防災組織や民生委員など地域の避難支援関係者に提供している自治体が25市町に上ることが分かった。ただ名簿を基にした個別の避難計画作りは低調で、策定率が5割を超えたのは8市町。20市町は1割に届かず、取り組みに差が生じつつある。

 アンケートは昨年12月に配布し、全市町から回答を得た。

 要支援者の名簿情報は、本人の同意や条例の定めがあれば地域の避難支援関係者へ提供が可能とされる。各市町に現状を尋ねたところ、11市町が名簿掲載者の全員分、14市町が半数超のデータを既に渡していた。

 1割に届かなかったのは7市町。「プライバシー情報のため本人同意を得るのが難しい」「受け取る地域側の負担感も大きい」などが理由に挙がった。1人暮らしの65歳以上を全て名簿に含めるなど対象範囲の広さが提供率の低さにつながっているケースもあり、名簿に載せる対象者の精査も課題として浮上した。

 一方、個別計画は国が指針で策定を求めており、避難時の支援者や経路などを具体的に定める。作成は主に名簿提供を受けた地域側や当事者に任せられ、策定率が100%だったのは篠山市と神河町。ともに名簿への掲載申請と同時に計画書も提出してもらっている。ただ、同意者に限るため「必ずしも全ての要支援者を網羅できているわけではない」(篠山市)とするなど改善点は残る。

 ほかに6市町が5割を超えたが、20市町が1割未満で、うち10市町は作成済みの計画がゼロだった。名簿提供は進んでいるものの、計画作りはほぼ手付かずという自治体も。「高齢化が進み、支援者の確保が困難」(洲本市)や、「計画作りの必要性が十分周知できていない」(朝来市)などの理由が目立った。

 アンケートでは、昨年夏に相次いだ風水害で実際に個別計画が生かされたかどうかも尋ねた。活用例があったのは12市町で、高砂市は「計画に基づく避難支援を自治会長へ要請した」、宝塚市は「早めの避難を呼び掛け、一緒に避難所まで行くなどしてくれたところもある」とした。神戸、西宮、加古川、西脇、小野、丹波、宍粟、加東の各市と神河町、佐用町も活用例があったと答えた。(田中陽一、金 旻革)

2019/1/19
 

天気(9月8日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 40%

  • 33℃
  • ---℃
  • 50%

  • 34℃
  • ---℃
  • 20%

  • 34℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ