正平調

時計2020/01/16

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プロ野球の審判を長く務めた岡田功(いさお)さんも、この投手には舌を巻いた。小山正明さんだ。「精密機械」と呼ばれたコントロールにうなったそうだ◆ある試合。外角ぎりぎりの球を「ストライク」と判定した。すると小山さんは、今度は少し外側、1センチほど外へ投げてきた。仕方なくこれも「ストライク」。気がつくとストライクゾーンが広くなっていた◆僚紙デイリースポーツで読んだ話だが、こんな逸話はもう生まれないかもしれない。米大リーグがロボット審判を取り入れる。今季からマイナーで始め、早ければメジャーでも2022年には導入されそうだ◆本塁の後ろに高性能の弾道測定器を設置する。各打者のストライクゾーンを事前に読み込ませているので、判定はすぐ無線で球審へという仕組みである。こんな時代になったのかと、伝える記事を前に考え込んだ◆大リーグの4割打者、テッド・ウイリアムスのことを思う。伊東一雄さんらの「野球は言葉のスポーツ」によれば、ボール球を打たないことで有名だった。だから彼が見逃せば、すべて「ボール!」となった◆この話の真偽は知らない。しかしあれこれの伝説が生まれるからスポーツは楽しい。さて、人ではなくハイテクが白黒をつける世界で物語は生まれるか。2020・1・16

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