正平調

時計2020/05/28

  • 印刷

テレビ欄で名作「飢餓海峡」を見かけた。懐かしくなり、水上勉さんの原作をパラパラとめくるうち、こんな場面が目にとまる。追いかけていた容疑者と出会った元刑事が語りかける◆「人間の心にもどって、さあ、早く真実をうちあけなさい」。追い詰められた男のまぶたから、「汗とも、涙ともわからない滴が出ていた」と、水上さんの筆は進む◆同じ言葉をかけたい。京都アニメーションの放火殺人事件で逮捕された青葉真司容疑者へ、である。死亡する確率が99%という大やけどを負ったが、10カ月もの治療でようやく取り調べを受けられるまで回復した◆まず、問う。放火されたスタジオにいた70人のうち36人が死亡、33人が負傷した。大量のガソリンをまき、火をつければどうなるか、想像しなかったのか。アニメへの夢を無残に奪う理由がどこにあったのか◆さらに、問う。これまでもさまざまな問題を起こした。近隣とのトラブルもあった。しかし壁をつくり、一人で妄想を膨らませた。あの残忍な放火殺人は積み重ねてきた長い時間の果てだろう。なぜそうなったか◆「どのような弁解をしようが…」と京都アニメーションのコメントにある。思いはよく分かる。だが本当のことを聞かないと、どうにもやりきれない。2020・5・28

正平調の最新
もっと見る

天気(7月17日)

  • 29℃
  • 23℃
  • 10%

  • 27℃
  • 20℃
  • 10%

  • 30℃
  • 23℃
  • 20%

  • 29℃
  • 23℃
  • 30%

お知らせ