正平調

時計2020/06/03

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歴史をきちんと伝える難しさについて、勝海舟の憂いは深かったとみえる。江戸幕府が倒れてまだ30年なのに幕末史をだれひとり正しくは語れない。そう嘆いた(談話集「氷川清話」)◆いわく、人の知恵なんてものはしょせん未来までは見通せない。過去のことが書かれた歴史に学ぶしかないのだが、なかなか完全なものがないとは困ったものだよ、と◆草葉の陰から、その人の嘆息を聞くようである。政府が新型コロナウイルス対策をめぐる専門家会議の詳細な議事録を作っていなかった。「概要で十分」だと説明してきたが、批判を受けて今後は改めるという◆コロナ対応は国家の大事であるからと、政府はすでに公文書の管理を徹底すべき「歴史的緊急事態」に指定している。にもかかわらず「ま、おおまかな記録ですよ」と言われては後世の人たちもがっかりだろう◆改ざんに廃棄にと、こと記録の扱いでいえば政府はこれまでに幾度も民情を害している。「文書大事」の教訓が生きているなら、もうちょっと神経をつかってよさそうなものだが、どうやらそうでもないらしい◆できるだけ丁寧な記録を残しておくことは未来の国民に対する真心でもあろう。政治家は「正心誠意」を忘れてはいけないと、勝海舟も述べている。2020・6・3

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