正平調

時計2020/06/25

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精神科医の中井久夫さんは、小学校時代にいじめに遭った。いくつになっても、ひどい記憶がふつふつとよみがえるそうだ。まったく風化しない◆著書の「いじめのある世界に生きる君たちへ」は、そんな体験を交え、子ども向けに書いた。「悪であり、立派な犯罪」であるいじめが、どんな段階を経て相手を追いつめるのか、分かりやすく説明する◆こんなくだりが印象深い。加害者は勝手気ままに振る舞っているように見える。しかし「じつは最初から最後まで世論を気にしています」。ここでいう世論とは、教師やクラスのみんながどう思っているかである◆2016年に自殺した宝塚市の女子中学生が、どんないじめを受け、学校がどう対応したか、市の再調査委員会が明らかにした。きちんと向き合わなかった学校側は「指導放棄」と手厳しい。いじめを許さない世論が校内にあったのか、疑わしくなる◆このほど亡くなった兵庫県立神出学園初代学園長、小林剛さんが話していた。いじめ問題で大事なのは「徹底して被害者側に立つこと」と。中井さんも書いている。「一人の人間として被害者の立場に立つことを(大人は)はっきり言う必要があります」◆再調査委報告を読みながら、忘れてはいけないことをかみしめる。2020・6・25

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