正平調

時計2020/07/20

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漫画「ドラえもん」には幻の最終回がある。ある日突然動かなくなったドラえもんを再生すべく、のび太は猛勉強してロボット学者に。長い眠りから覚めたドラえもんはのび太に言う。「宿題やったの?」◆作者は藤子・F・不二雄さんとは別の漫画家だが、感動的な結末が評判を呼び、同人誌即売会で1万5千部を売り上げた。これに対し、藤子プロなどは著作権侵害を通告。作者は謝罪したという◆神戸在住の桜井顔一さんらによる近刊「日本マンガ事件史」が伝えるエピソードの一つだ。ほかにも昭和天皇の半生を劇画化したり、爆弾の製造法を児童誌で図解したり、母親らの抗議をよそに「うんこ」を描き続けたり。賛否はあろうが、表現の限界に挑む姿が見える◆戦時中の時事漫画家、柳瀬正夢は殊にすさまじい。治安維持法で摘発され、激しい拷問を受けてなお、政策や資本家を痛烈に風刺した。漫画が社会を動かすと信じたのだ◆桜井さんは言う。「漫画を弾圧したのは、昔は公権力やPTAだったが、今や顔の見えないネット利用者。厄介で怖い時代だ」◆新聞記事を書くにも制約が増えた。いたずらに読む人を傷つけてはならないが、書くべきことはしっかりと書かねば。私たちの言葉もまた、社会を動かすと信じて。2020・7・20

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