正平調

時計2020/08/18

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やられたらやり返す、倍返しだ。堺雅人さん演ずる主人公の決めぜりふが小気味よい。池井戸潤さん原作のドラマ「半沢直樹」が高視聴率をあげている◆組織の不条理を知恵と才覚で吹き飛ばす半沢のパワーが光る。企業買収や再建の専門用語があっても堅苦しくならないのは、個性的な登場人物に加え銀行業界のダイナミズムが鮮やかに描かれているからだろう◆「金融ほど人間的なものはない。なぜなら、金融とは信用であるからだ」。経済学者浜矩子(のりこ)さんの見立てだ。人は相手を信用しているから金を貸す。信用できない相手からは借りない。そこに人間模様が浮かぶ◆金融を扱った経済小説には名作がそろう。山崎豊子さんの「華麗なる一族」は人間の業を感じさせ、高杉良さんの「金融腐蝕(ふしょく)列島」はミドルの苦闘がにじんだ。黒木亮さんの「巨大投資銀行」は時代の映し鏡だ◆ドラマ半沢直樹で重厚な存在感を放つのが、北大路欣也さんが好演する頭取だ。「頭取」という言葉には独特の響きがある。揺るがぬ威厳で銀行の信用を一身に背負う◆昔、雅楽の合奏で最初に音を出す人を音頭取りと呼んだのが語源という。コロナ禍で信用リスクが高まる。注目は頭取たちの経営判断だ。倍返しの再生スキームを描けるだろうか。2020・8・18

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