正平調

時計2020/09/18

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映画の批評はそう肩肘を張らなくてよいと、神戸生まれの映画評論家、淀川長治さんがある対談で語っていた。文楽や歌舞伎は歴史なんかを少しは学んでおかないといけないが、「映画は今日見て、今日書ける」と◆いやしかし、読む者の心をとらえる映画評となるとなかなか書けはしまい。「見たい」と多くの人に思わせる。その磁力はどんな名文より、ひょっとしてこの一語にあるのかも。栄えある「受賞」の文字である◆神戸出身の映画監督、黒沢清さんの「スパイの妻」がベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)に輝いた。日本映画では17年ぶりという◆朗報を伝える記事から映画のキーワードを拾ってみると「戦争」「国家機密」「夫婦」…そして「神戸」。地元ではなじみの洋館、旧グッゲンハイム邸などが物語の舞台となっている。来月の公開が待ち遠しい◆いい映画なら「みんなと一緒に見たい」。これも淀川さんが述べていた。見ていておもしろいと分かると、家族に電話をかけて映画館に呼びだしたそうだ。帰り道ではあれこれ楽しく“批評”し合ったのだろう◆「『スパイの妻』、見た?」。この秋は、そんな会話がそこかしこで飛び交いそう。ここは淀川節をまねて「楽しみですねえ、早く見たいですねえ」。2020・9・18

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