正平調

時計2020/10/22

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小学校時代、担任の教師から平手打ちをくらった。なぜ怒られたか、理由は覚えていない。頬を焼くような瞬間の痛みと怖さだけが記憶に刻まれた◆この中学生たちの恐怖や痛みはいかばかりか。宝塚市の中学校で起きた傷害事件のことだ。「きつめの指導」と称し、柔道部顧問が投げ技などで2人に重軽傷を負わせ、傷害容疑で逮捕された。帰宅した後も生徒は震えていたと、保護者は言う◆それから10日、解けぬ疑問がいくつもある。これほど体罰はやめようと言われてもなかなか減らない。なぜだろう。兵庫教育界の規範が緩いのか。そう問う声も耳に届く◆脚本家倉本聡さんの話を思い出す。幼いころに万引をしたそうだ。欲しかったお菓子屋さんのビスケットを2枚。気づいたお母さんから事情を聴いて、お父さんは「出かけるよ」と倉本さんを外へ連れ出した◆向かったのはそのお店。「ビスケットを全部ください。在庫も」とお父さんは言った。そして大きな袋二つをかついで帰る間、説教はなし。でもビスケットがおやつに出るたび、倉本さんは後ろめたさを感じ続ける。自伝エッセー「見る前に跳んだ」から◆力ではなく、言葉や姿勢で諭し、導く。難しいのを承知の上で期待する。教育に生きる皆さんの、プロの力。2020・10・22

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