正平調

時計2020/11/05

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米大統領選の開票が始まった。その速報を見ながら書いている。歴史に残りそうな高い投票率、世界の熱いまなざし。かつてない大統領選になった◆それにしても、と思う。これが民主主義のお手本になるべき国の選挙だろうか。敬意のかけらもないののしり、銃を手にしての威嚇。選挙後の混乱を恐れた店はショーウインドーに板を張りつけている◆12年前、オバマ氏が大統領になった選挙戦を思い出す。取材した民主党大会は華やかなショーのようだった。銃を手にする警官の姿は会場内にあったものの、一歩外へ出ると険しい気配はない。それが幻のような◆作家石川好(よしみ)さんは若いころ、米国のイチゴ農場で働いた。そこで聞いた老牧師の言葉を著書に書きとめる。この国は「世界で一番自由な国」ではなく、「一番自由な国であらねばならないのです」。あらねばならない。誇りと気概が言葉からあふれる◆残念ながら、選挙戦で私たちが見てしまったのは、老牧師の思いとかけ離れた大国の姿である。人種、貧富、思想。走る亀裂のなんと深いことだろう。異なった価値観や考えが受け止められる社会を実現できないようなら、民主主義のお手本とは言えない◆老牧師の弁に加えたい。「一番寛容な国であらねばならない」と。2020・11・5

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