正平調

時計2021/06/03

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「ひげの市長」という愛称は、世代を見分けるリトマス紙のようなものかもしれない。聞いてピンとくるのは40歳代、いや50歳代から上だろうか◆鐘ケ江(かねがえ)管一さんのことだ。長崎県の島原市長を務めていたとき、雲仙・普賢岳の噴火災害が起きた。43人の命が奪われた大火砕流の発生が30年前のきょう、6月3日。「山よ鎮まれ」と願ってひげをそらなくなったのも、大惨事があったこの日から◆「ひげの市長」の語録で、覚えているものが二つある。その一。「山が動くのに国は動かぬ」。被災者支援への腰の重さに歯ぎしりした。当時の国土庁を何度訪れても「自然災害の補償は前例がない」だった◆その二。島原市はなんとか1人1日千円の弁当代支給にこぎつけた。数年後、別の自治体が深刻な火山噴火に遭った。動きがどうも鈍いと聞くと、語気鋭く「中央官僚と差し違えるぐらいの気迫が必要なんです」◆大火砕流の翌年、市長を退いたのを機にひげをそっている。長さは28センチもあった。その話題を受けて小欄が書いた。「地元の突き上げと、地域感情を理解できない国との板挟みの中で、ひげは伸び続けた」と◆阪神・淡路大震災、東日本大震災、豪雨禍…。災害列島で、政治は被災者に優しくなったかと節目の日に問う。2021・6・3

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