正平調

時計2021/08/28

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夏休みの宿題は「半分済んだでェ」と胸を張る小学生の息子に、晩酌で調子づいた父が語りかける。「あとの半分、お父ちゃんがやったろか」「夏休みいうのは遊ぶためにあんねや」◆宮本輝さんの小説「泥の河」の一こまだが、そんなお父ちゃんが実際にいたら世の小学生たちは思わず手を合わせて拝むだろう。夏休みは遊んでなんぼ-ありがたいせりふも今はしかし、時節がら少々恨めしい◆この夏の紙面を繰りながら、子どもたちの声を拾う。「家族での沖縄旅行が中止になって悲しかった」とはある小学生。コロナは収まるどころか、広がるばかり。しょんぼりとうなだれた小さな背が目に浮かぶ◆思い出づくりに親御さんが一計を案じられたのか、輪投げにくじ引き、かき氷と家族だけの夏祭りを催し、楽しんだ子もいた◆「夏休みの一番楽しかったこと」と題した小学生の詩を思い出す。祖父母の家に行き、いっぱいけがをするほど遊んだ、みんなでご飯を食べた…と続いて、詩はこう結ばれる。〈帰るとき/おじいちゃんがなぜか泣いていた/そのあとで/にがわらいしていた〉(川崎洋編「こどもの詩」より)◆今年はかなわなかった君も来年の夏は遊びに行けるといい。おじいちゃん、おばあちゃんを泣かせに行こう。2021・8・28

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