正平調

時計2021/09/14

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作家の井上ひさしさんは中学生のとき、何度も転校している。わずか半年ほどの間に、山形県南部の村から八戸(青森県)へ、さらに一関(岩手県)、仙台(宮城県)と目まぐるしい◆新しい土地の言葉をそのつど単語帳に書きとめたそうだ。例えば山形で「おどっつぁ」と呼んでいたのが八戸で「とっちゃ」となり、一関なら「おどっつぁん」、仙台では「とーちゃん」…といった具合である◆級友に早くなじむための、その方言辞典の収録語は800に迫ったという。同じ東北でこんなに言葉が違う。似たことは旧五国からなる兵庫県にも言えるかもしれない。そう思わせる二つの記事を先週、読んだ◆新温泉町の高校生が町内の外国人に但馬弁を教授したという話では、「うみゃー(おいしい)」「よーけ(たくさん)」などが例に挙がっていた。もう一つは淡路弁で描かれた漫画の話題。「べんこ言われん(偉そうなこと言わないで)」「めいどら(壊しましたね)」。いやはや、兵庫は広い◆「同じ播州でも東と西とではもうちがっている」と、民俗学者の柳田国男が方言についてつづった文章にもある。土地の人が慣れ親しんだ言い回しでしか、うまく伝えられない。だから方言は多彩なのだ、とも◆お国言葉で何を語ろう。2021・9・14

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