正平調

時計2021/11/01

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感染症が猛威をふるう世界で、人々の心を平らかにする道はあるか? 主人公の問いかけに、友は答えた。「あるね。共感ということだ」。アルベール・カミュの小説「ペスト」である◆他者の痛みを分かろうとする。コロナ禍の今の政治に最も欠けていたのは、そんな共感力であったかもしれない。自宅でひとりおびえる患者の不安と絶望を、客足の絶えた店主の焦燥と嘆きを、政治はどこまで知ろうとし、また寄り添おうとしてきたか◆「安全安心」をオウムのように繰り返しながら対策は後手に回り、世間に自粛を呼びかけながら宴席に興じる議員もいた。政治とカネ、文書改ざんなどへの疑念の声にも、真摯(しんし)に耳を傾けてきたとは言いがたい◆「未来選択選挙」。岸田首相が掲げたスローガンである。未来を語るのはいいけれど、過去にもしっかり向き合え。1強のおごりを捨て、共感の政治をせよ。有権者が示した意思はつまり、そういうことだろう◆衆院選が終わった。自民党は勝つには勝ったが、手放しで喜べる結果ではない。その理由は「聞く力」をお持ちの岸田さんが一番分かっているはずである。新内閣はどうにか、“仮免許”を手にしたにすぎない◆難題山積の悪路が続く。丁寧なハンドルさばき、それに尽きる。2021・11・1

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