お恥ずかしいランキングがある。さて何の数字だろう。(1)東京135件(2)神奈川88件(3)大阪35件(4)埼玉29件(5)兵庫26件◆鉄道の駅員や乗務員が受けた暴力の件数である。昨年末、国土交通省が発表した2020年度の実態だ。減ってきたとはいえ年に439件もある。酔っぱらっての所業が6割を占める。コロナ禍で乗客が減っても、この体たらくだ◆どんな暴力か。数年前の事例を見ているうちにため息が出た。終電は過ぎたと伝えると、「この野郎」と襟首をつかむ。酔っぱらってICカードがうまく使えないようなので近づいたら、いきなり頬を殴ってきた◆どれほどひどいか、訴えようと思っても証拠がない。これでは泣き寝入りになってしまう。そこでJR東日本は、夜間に勤務する駅員の胸に小型カメラをつけて記録できないか検討中という。大切なお客さまとしても、我慢に限度があるというわけだ◆米大統領リンカーンは、演劇を見ていて凶弾に倒れた。近くにいたはずのボディーガードはどうしていたのか。幕あいに持ち場を離れ、一杯ひっかけていた。翌朝、男は有罪判決を受けた犯罪者のようだったという。「酔っぱらいが変えた世界史」にある◆酔いからさめ、うなだれても遅い。酒はほどほどに、ほどほどに。2022・1・27
