正平調

時計2022/02/03

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通りすぎた後、いつもつむじ風が舞っていた印象である。自信家で遠慮がない。思いもよらない行動や言葉で周囲を「えっ」と言わせると、ちょっとはにかむように口元を緩ませた◆石原慎太郎さんのことだ。作家としての鮮烈なデビュー作「太陽の季節」、タカ派政治家として唱えた自主憲法制定、東京都知事時代には遠く離れた尖閣諸島の購入を口にし…。動くと、賛同と批判の風が舞った◆政界引退時の言葉。「歴史の十字路に何度か立つことができたのはうれしい経験」「言いたいことを言って、やりたいことをやって、人から憎まれて死にたい」。石原節をたくさん残し、89年の人生を閉じた◆癖の強い字だった。その悪筆にまつわる伝説を関川夏央さんが「昭和が明るかった頃(ころ)」に書く。原稿を受け取っても編集者は読めない。ところが大手印刷会社にはそれぞれ、解読できるスタッフが1人いた。そのゲラで初めて、編集者は内容を知ったとか◆字は人柄を映す。編集者泣かせの字は、わが道を行く方らしい。気にしてか、かなり早くからワープロ派になっている。想像するに、これは石原さん一流のはにかみ◆亡くなった二つ違いの弟、昭和を代表する俳優裕次郎さんがお待ちだ。2人でゆっくり、杯を重ねるのだろう。2022・2・3

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