正平調

時計2022/08/03

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卒業間近の最後の授業だった。一人一人の名前を呼びながら先生が10円玉を手渡した。たった一つの10円玉/「苦しいときには 電話をかけてこい」/先生ありがとう/心にいつも/あの日の言葉がありました-。八代亜紀さんが歌う「心をつなぐ10円玉」である◆公衆電話を知らない世代にはピンと来ないかもしれないが、10円玉の重みをかみしめたくなったのは最低賃金を31円引き上げるというニュースを見たからだ。物価高を反映し、過去最大の増加幅という◆時給だと10円玉3枚と1円玉1枚。月収なら5千円近くになる。これをありがたいと感じるかどうかは、その人の暮らしぶりによるだろう◆子どもの貧困率というデータがある。中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合。国の最新調査(2018年)ではシングルマザーなど大人1人で育てる世帯で48・1%に上る◆最低賃金前後で働く人には、スーパーや介護など社会に欠かせない仕事の人も多い。学生や外国人のアルバイトもそうだろう。物価高も直撃し、きょうの夕食の献立に思案する人には励みになる◆〈牛丼屋/頑張っているきみがいて/きみの頑張り時給以上だ〉(萩原慎一郎)。行きつけの牛丼屋の、あの顔、この顔を思い浮かべる。2022・8・3

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