淡路

シンコ漁水揚げ「予想以上」 育波漁港初日は前年の29倍

2021/03/07 05:30

 瀬戸内海に春の到来を告げるイカナゴのシンコ(稚魚)漁が6日、大阪湾と播磨灘で解禁された。昨シーズンに続く記録的な不漁が心配される中、育波漁港(兵庫県淡路市育波)では前年初日の約29倍のシンコを水揚げ。港内は活気に満ち、漁師らは胸をなで下ろした。

 同漁港からはこの日、日の出とともに漁船約120隻が出漁し、近海に網を下ろした。港では水産加工業者や仲買業者らが船の帰りを待ち受けた。シンコが満載された籠が船から運ばれてくるたびに、籠を取り囲んでシンコを手に取り、魚のサイズや状態を確かめていた。漁師らは水揚げ作業を終えると再び沖合へ。慌ただしく漁場と港を行き来していた。

 育波浦漁協の初日の水揚げ量は約23・4トン。シンコのサイズは5センチ前後で、1籠(28キロ前後)の競り値は平均約6万5千円と、例年並みだった。仲買業者らに競り落とされたシンコは次々とトラックに積み込まれ、京阪神や地元の加工会社などへと運ばれていった。

 競りに参加した市内の水産加工会社の男性(54)は「期待していなかったが、予想以上の水揚げだった。くぎ煮が欲しい関西人はたくさんいるのでありがたい」。同漁協の片山守組合長(57)も「ひとまず安心した」と安どのため息。一方、シンコの数自体は減っているといい、「偶然この海域にいただけで、2日目以降は不漁の可能性もある。何とか捕れる日が続いてくれれば…」と願っていた。(西竹唯太朗)

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