兵庫県南あわじ市福良地区の住民らでつくる福良町づくり推進協議会が、地元の空き家を再利用した「まちなか水族館」を改修している。アジやフグなど福良湾の魚を展示する水槽を増やして観光客を呼び込むとともに、防災研究で訪れる大学関係者らに打ち合わせ場所を提供し、住民との情報交換も増やしたいという。(西竹唯太朗)
まちなか水族館は、2019年に設けた。建物は築100年前後の2階建て木造民家で、料亭として使われた時期もある。空き家になったため協議会が借り、地域活性化の拠点の一つにしている。
福良地区は、鳴門海峡の渦潮観賞などで週末に多くの観光客が訪れる一方、商店街が観潮船の乗り場など主要な観光施設から離れており、波及効果の拡大が課題だった。
今回の改修では、テークアウトで飲食を提供するスペースを設ける案もあり、まちの魅力アップに生かす。市の「地域づくりチャレンジ事業」として、補助金を受けて取り組む。
協議会メンバーの河野博さん(76)を中心に、神戸大工学部建築学科の学生ら約20人がサークル的に参加している。学生らは福良地区内の別の場所で、空き家をカフェに改修する作業を担っていた縁といい、デザインなどを相談しながら大工作業をしている。
南海トラフ地震で津波の襲来が予想される福良地区には、多くの大学から実地調査の学生らが訪れている。そこで、改修したまちなか水族館を、サテライト研究室にしてもらうことも想定する。
住民が最新の研究内容に触れて防災意識を高める狙いもあり、河野さんは「観光、防災などあらゆる方面から福良の町中に人を招き入れたい」と話している。
 
              









 
             
             
             
             
            