神戸新聞で連載された「おばあちゃんとかめ」

神戸新聞で連載された「おばあちゃんとかめ」

 神戸新聞朝刊で2023年11月から月2回、連載してきた漫画「おばあちゃんとかめ」(おばかめ)が26日の第69話で最終回を迎える。カメを飼う自身の母をモデルに約3年間、その何げない日常を描いてきた作者の絵本作家、デザイナーのやましたこうへいさん(55)に、思いを聞いた。(大盛周平)

神戸新聞で連載された「おばあちゃんとかめ」

 -連載を振り返って。

 「100話は続けたいなって思っていたので終わるのは寂しいですね(笑)。とにかく楽しくて、逆にこんなに自由に好き勝手描いていいのかなって不安になったくらいです。『私もカメを飼っています』『子供がもらってきました』などの感想をいただき、リアルタイムに作品を身近に感じてもらえていることを実感しました。このリアルな実感は、新聞連載だからこそだったと思います」

 「カメって万人に受けるようなものじゃないけれど、墓参りや仏壇に手を合わせることなんかも描いて。ささいな出来事を楽しんだり、カメのように長く生きる生き物をめでたり、近しい人が亡くなったり、というのは、私たちにある『日常』で、描きたかったことでした。さまざまなニュースが載る新聞の中で、そうした部分に共感してもらえたかな」

 -絵本やデザイン、キャラクター造形など多岐にわたる創作活動の中で「おばかめ」とは。

 「私的で心情的、叙情的なものを描く機会は案外なかなかないんです。おばかめは漫画の登場人物に自分のプライベートを重ねることができた作品で、他に描くことはないだろうなと思っています」

神戸新聞で連載中の「おばあちゃんとかめ」

 -おばあちゃんのモデルとなったお母さんには何度も取材した。

 「母の思いや考えを大事にしたいと思って描いてきました。母のように1人暮らしの方を応援する気持ちでしたね。(現在住む東京から)帰省した時の取材の時間がなくなるのはさみしいですね。そう言えば、卵の話を『おばかめ』で読んだ母が『ふーん、そうなんや』と学んでいましたよ。不思議な感じでした」

神戸新聞で連載された「おばあちゃんとかめ」

 -読者へのメッセージを。

 「最終回は来ますが、漫画を描く前に既にカメを飼っていたし、母も元気なのでこれからもうちでは『おばかめ』は続いていくんですよね。何も起こらない漫画に、多くの感想をいただいたことが励みになりましたし、共感してもらえたことは驚きであり喜びでした。ありがとうございました」

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